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遅きに失したECBの量的緩和

欧州ウオッチャー、柴田拓美・日興アセット社長に聞く

2015年1月23日(金)

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 ECB(欧州中央銀行)は22日に開いた理事会で、2015年3月から2016年9月まで月額600億ユーロ(約8兆円)のユーロ建て資産を購入する量的金融緩和に踏み切る方針を決めた。理事会での決定を評価し、同日の欧米の主要株式相場は軒並み上昇。23日の東京株式市場でも日経平均株価が終値で2014年末以来となる1万7500円台を回復した。

 欧州は金融危機後に各国が緊縮財政を進めた結果、経済成長が鈍化。日本が1990年代から20年以上にわたり経験したような長期のデフレ「日本病」に陥るとの懸念も出ている。デフレ回避を目指した今回のECBの決定への評価や、欧州経済の見通しについて、ロンドン駐在の経験もある大手運用会社、日興アセットマネジメントの柴田拓美社長に聞いた。

柴田拓美(しばた・たくみ)氏
日興アセットマネジメント社長。1976年野村証券入社。野村インターナショナル(ロンドン)社長、野村アセットマネジメント社長、野村ホールディングスグループCOO(最高執行責任者)などを経て、2014年から現職。(写真:都築雅人)

 ECB理事会では国債を中心に大規模な資産購入を決めたが、量的緩和を始める時期はもっと早くすべきだった。当事者も事情が許せばそうしたかったのだろう。

 ECBは、世界的な金融危機と欧州債務危機への対応でバランスシートを大幅に拡大したが、最近は縮小させてきた。大規模な資産購入を続けてきた日銀や米連邦準備理事会(FRB)とは対極的だ。ECBは結果として、緊縮的な金融政策を低成長下の欧州経済に適用してきたことになる。

 ECBがこれまで量的緩和に踏み切れなかったのは、域内で最も経済規模が大きいドイツの影響力が大きい。ECB設立のモデルはドイツ連邦銀行(中央銀行)だ。哲学的には中銀の政治からの独立性を重視し、インフレ抑制という意味での物価安定を主な目的とする保守的な金融政策が基本だった。加えて、万が一ECBの財務の健全性が失われた場合の財政負担をドイツは恐れるので、量的緩和には慎重論をとる。ECBの最大スポンサーが慎重である以上、欧州でデフレ懸念が高まる中でも、ECBはデフレを回避するための政策実行へのアクセルを全力で踏み込むことができないでいた。タイミングの遅れには、こういう事情がある。

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「遅きに失したECBの量的緩和」の著者

須永 太一朗

須永 太一朗(すなが・たいちろう)

日本経済新聞証券部

2003年一橋大学社会学部卒業、日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡)で警察、企業、県政を順に担当。その後は主に証券部で日本株相場を取材。14年3月、日経ビジネス記者に。17年4月、日本経済新聞証券部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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