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くすりの福太郎「薬のカルテ未記載」に業界震撼

不祥事が再燃させる「儲かる調剤」批判の声

2015年2月13日(金)

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薬歴未記載問題で揺れる、くすりの福太郎の店舗

 ドラッグストアチェーン大手のツルハホールディングスの子会社で、関東を中心に189店舗を展開するくすりの福太郎(千葉県鎌ケ谷市)は2月10日、同社の調剤薬局48店舗で、薬剤師が薬の服用歴などを記録せずに、薬を患者に出していたと謝罪した。

 調剤薬局では、医者からの処方箋を基に調剤する際、患者ごとに薬のカルテ(薬歴)を作成している。そこには、アレルギー歴や病歴、薬の副作用のほか、患者の訴えや症状、薬を飲めているかといった確認、薬を出すときに患者に伝えたアドバイスなどについて、薬剤師が記録を残す。こうした情報を蓄積することは、医療安全だけでなく、毎回同じ質問を患者にしないですむなど業務の効率化にも寄与している。

 くすりの福太郎では、こうした薬歴を記載せずに薬を患者に出し、調剤報酬を不適切に請求していた。その数は少なくとも17万3515件で、1件当たり410円。同社は、対象となる患者と健康保険組合などの保険者に返金するという。

 親会社のツルハホールディングスは今回の問題について現在も調査中で、くすりの福太郎の小川久哉社長は状況が落ち着いたタイミングで退任する。また、2月末までに10店舗を閉店し、業務改善やスタッフの配置を見直す。

「薬剤師個人の能力不足」では済まされない

 薬歴の未記載が起こった背景について、くすりの福太郎は、薬剤師の認識の甘さや能力の個人差を挙げた。またツルハから導入された薬歴の入力システムを使いこなせていなかったことも明らかにした。

 薬歴は、手書きで記録する調剤薬局もあるが、パソコンによる入力システムを導入しているところが7割程度を占める。「薬を出す際に患者と会話しながら入力したり、患者が帰った後など手が空いた時間に手早く書いたり、企業によって記録の仕方は様々」(薬局業界関係者)。ある大手調剤薬局チェーンでは、「記載に要する時間は患者1人当たり2分」などと記入のルールを徹底している。

 また、入力システムを開発するソフトウェアメーカーの間では、薬歴を効率よく入力するための競争が激化している。薬歴をきちんと記録した上で得られる報酬の410円は、患者1人当たりから得られる報酬の大きなウエイトを占めることもあり、薬歴記載を徹底している実態がある。

 薬歴を書かないなんて、言語道断──。調剤薬局やドラッグストア業界の間では、くすりの福太郎の件を、あくまでも個別の企業の話と捉える向きもある。だが、調剤薬局に対して、都道府県や厚生労働省の出先機関である地方厚生局が行う個別指導に携わる関係者は言う。「薬歴を記載していても、内容が十分でない薬局は一定数いる」。

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「くすりの福太郎「薬のカルテ未記載」に業界震撼」の著者

河野 紀子

河野 紀子(こうの・のりこ)

日経ビジネス記者

日経メディカル、日経ドラッグインフォメーション編集を経て、2014年5月から日経ビジネス記者。流通業界(ドラッグストア、食品、外食など)を中心に取材を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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