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サントリー、「2600億円」以上に開いたキリンとの差

統合破談後、5年の“通信簿”

2015年2月18日(水)

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2014年12月期の決算発表会見に登壇した新浪剛史社長。グローバルな成長に意欲を示した(写真:東洋経済/アフロ)

 「日本一になってよかったねというよりも、もっと世界でやらなきゃね、という感じ」

 2015年2月16日、社長就任後、初めて記者会見に登場したサントリーホールディングスの新浪剛史社長は、連結売上高でキリンホールディングスを抜いて食品メーカーの首位となった感想を問われてこう答えた。

 サントリーの2014年12月期の連結売上高は2兆4552億円。前年度まで食品メーカー首位だったキリン(同2兆1957億円)を初めて、約2600億円上回った。新浪社長の発言からは、もはやキリンなどの日本メーカーをライバルとして捉えていないという様子が伝わってくる。

 かつて経営統合を目指した2社だが、破談となった2010年以降、置かれている状況は大きく変わった。経営統合を交渉していた2009年にはキリンの連結売上高がサントリーのそれを約7000億円上回っていた。

 それがついに逆転に至った理由について問われた新浪社長は、「キリンはビールで世界を目指している。ビールで世界に羽ばたくのは経営資源的に厳しいが、(ウイスキーなどの)スピリッツ(蒸留酒)や飲料であればできる」と解説した。

異なるM&A戦略が生んだ明暗

 確かに、首位逆転の一因は、「スピリッツとビール」にある。経営統合の破談から5年。海外に成長機会を見いだしたのは共通だが、そのために仕掛けたM&A(合併・買収)は大きく異なる。

 キリンは2011年にブラジル2位のビールメーカー、スキンカリオール(現ブラジルキリン)を買収。一方、サントリーは米蒸留酒最大手のビームを2014年に傘下に収めた。この異なるM&A戦略が首位逆転につながった。しかも今後の成長余力を見れば、2社の差はさらに広がる可能性が高い。

 英調査会社のIWSRによると、販売数量ベースの世界市場規模(2012年)で、スピリッツはビールの2割弱に過ぎない。単純に規模だけを比較すれば、成長の機会はビールの方が大きいように感じられる。だが、海外展開の可能性という点では、新浪社長が指摘するように、スピリッツの方に潜在力がある。

 なぜか。それはビールとウイスキーなどのスピリッツでは、重視されるものが違うからだ。

コメント4件コメント/レビュー

ビームを買収した当初は、いろいろネガティブな側面が喧伝され、判断ミスだと言われていたけれども、こうして分析してみると、よく考えられた経営判断だと実感します。日本企業はおしなべて過剰なほど内部留保をためこんでいますから、よく考えた上で手持ちの資金を活用してほしい。もちろん、やればいいという話ではなく、別の筆者による、日本郵政による買収案件の考えの浅さについての論考もNBOにありました。(2015/02/24)

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「サントリー、「2600億円」以上に開いたキリンとの差」の著者

中 尚子

中 尚子(なか・しょうこ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞入社後、証券部で食品やガラス、タイヤ、日用品などを担当。財務や法務、株式市場について取材してきた。2013年4月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビームを買収した当初は、いろいろネガティブな側面が喧伝され、判断ミスだと言われていたけれども、こうして分析してみると、よく考えられた経営判断だと実感します。日本企業はおしなべて過剰なほど内部留保をためこんでいますから、よく考えた上で手持ちの資金を活用してほしい。もちろん、やればいいという話ではなく、別の筆者による、日本郵政による買収案件の考えの浅さについての論考もNBOにありました。(2015/02/24)

サントリーは高いブランドウイスキーは真面目に作っている。しかし、安いものはひどい。昔のキリンのウイスキーの方が、同じ値段で良質だった。逆にビールは、サントリーの方がキリンよりも、儲け主義ではなく、いいものを作っている。キリンは儲けに走っている。まあ、日本のビール会社は、にせビール、発泡酒を作ること自体、世界の恥だ。発泡酒などで儲けた会社がダメになるのは、当然である。儲けるためとはいえ、やってはいけないことがあるのだ。(2015/02/24)

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