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地味さが冴えたソニーの中期経営方針

ソニーOBの気鋭経営学者が読み解く「真価」

2015年2月20日(金)

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 本体に残るすべての事業を分社化。自己資本利益率(ROE)を最重要の経営指標に位置づけて、従来の規模追求から利益重視の経営にカジを切り、着実に再建を果たす──。

 長期の経営不振に陥っているソニーが、2月18日に開いた中期経営方針説明会で、こうした方針を明らかにした。市場では資本効率の重視を打ち出した点などが好感される一方、戦略に具体性が欠けているとの批判の声も上がっている。

 評価の分かれている経営方針の内容を、ソニーのOBで、同社の経営をウォッチし続けてきた長内厚・早稲田大学ビジネススクール准教授(専門は技術経営・経営戦略論)が分析する(長内准教授の略歴などが分かる昨年のインタビュー記事はこちら)。

経営方針について説明するソニーの平井一夫社長(写真:AP/アフロ)

 技術経営研究者としてなのか、元ソニー社員としてなのか、あるいはその両方だからなのか。先週から複数のメディアから取材依頼があり、18日にソニーが行った経営方針説明会に先立ってコメントを求められた。

 「ソニーの復活のためにはどのような新しい技術や商品が出てくると思われますか?」と聞かれることもあったが、いずれのインタビューでも、「社長の平井さんが優秀な経営者であるとすれば、『驚くほど驚きのない』中期経営方針を発表するでしょうし、またそうあるべきです」と答えた。

 もし、今回の説明会で、いわゆるソニーフリークが喜ぶ、夢のような(SFと言ってもよいかもしれない)、実現性のあやしい、あっと驚く商品プランや事業プランを発表していたら、私はソニーの今後に不安を感じていたかもしれない。

 今のソニーに必要なのは、新たな事業のリスクを取るために必要な、前段階の収益の安定化であり、将来に「あっと驚かせる商品」を出すためにも、中期経営方針は「あっと驚くほど驚きのない(ソニーフリーク的に)」ものであるべきと考えていたからだ。

「驚くほど驚きのない」であるべき今の経営戦略

 新たな技術開発といっても、その性質は一様ではない。一方で、これまで誰も考えなかった未知の領域に対してトライ&エラーを繰り返しながら「探索」し、全く新しい技術やそれに基づく商品を開発するような技術開発の姿がある。他方、従来の技術を磨き上げながら、さらに機能や性能を向上させていく「深化」のプロセスもまた、新たな技術開発の姿である。

 探索と深化の違いをその活動の結果として見るのであれば、「効果」と「効率」の違いであるということが言えよう。ここで言う「効果」とは、今までになかった、あるいは誰も思いつかなかった新たなアイデアを探して実現し、その驚きの大きさによって技術や商品の価値が高く評価されるという意味である。

 一方、「効率」とは、できる限り当たり外れを少なくし、意外性は少なくても着実に安定した価値や収益を生み出すことである。

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