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三菱UFJ、最高益下でガバナンス改革の真意

2015年3月4日(水)

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 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は6月、経営判断に社外取締役の意見をより反映できる「指名委員会等設置会社」(委員会設置会社)に移行する。2015年3月期に最終的なもうけを示す連結純利益が初めて1兆円の大台を超えるメガバンクの雄は、なぜ今、コーポレートガバナンス(企業統治)改革に打って出るのか。

 そこにはMUFGの危機感にも似た緊張感がにじむ。海外収益と外国人の持ち株比率がともに約4割に達し、世界で勝ち抜く体制づくりに磨きをかけることは時間との闘いだからだ。

 ここ数年の動きを見ても、タイの地方銀行に出資し、北米では傘下のユニオンバンクと自社の事業を一体で運営。2008年秋のリーマンショック時に救済したモルガン・スタンレー証券は北米事業の要となっている。グループ全体の海外収益が全体の4割に達し、2015年3月期は連結純利益が1兆円の大台を超えるのがほぼ確実な情勢だ。

 一方、アベノミクスで景気が回復基調にあるとはいえ、国内では貸し出しが伸び悩んでいる。傘下の三菱東京UFJ銀行は前2014年3月期決算で、国内の運用利回り(総資金利ざや)がマイナス0.03%と初めてゼロを割り込んだ。

 総資金利ざやは融資や国債で稼ぐ資金運用利回りから資金調達コストを差し引いた値で、プラスなら収益を出している。メガバンク同士を比較してみると、みずほ銀行はゼロ、三井住友銀行は0.44%だった。

 預金を集めて融資に回すのが銀行業本来のビジネスモデル。三菱UFJ銀の場合、総資金利ざやがマイナスに陥ったことで、いくら預金を集めても国内で融資、運用している限り利益が出なくなったことを示している。それだけにグループ全体で海外に十分通用する企業像を描くことは欠かせない。

 今回採用する委員会設置会社は、(1)取締役の選任・解任の議案を決める指名委員会(2)報酬を決める報酬委員会(3)職務の執行をチェックする監督委員会の3つを置く。各委員会はメンバーの過半数を社外取締役にしなければならない。経営の透明性をさらに高めるためにも、社外取締役の人選がカギを握る。

 MUFGは2005年10月の発足以降、ガバナンス改革に取り組んできた。現在、ガバナンス、指名報酬、リスク、監査の各委員会を任意で置いている。さらに監査役会もあり、一部の機能が重複していたが、今回の組織改編で監査委員会に一本化される。

 ガバナンス改革を前進させる背景には、海外投資家の後押しも大きい。MUFGの外国人持ち株比率は38%(2014年3月期末、発行済み株式数ベース)。リーマンショック以降、2度増資したにもかかわらず、同比率は過去10年間で約5ポイント上昇した。過去1年だけを見ても大規模な自社株買いなどが好感されて株価上昇率は3割を超える。持ち前の収益力と株主還元に加え、ガバナンスが盤石になれば財務・資金面でもさらに安定感が増す。

 半沢淳一・執行役員経営企画部長は「国内に軸足を置きながらも成長の源泉は海外。事業モデルに則した組織、ガバナンス体制を検討した結果が委員会設置会社だ」という。

 主要国で構成する金融安定理事会(FSB)もメガバンクには委員会設置会社への移行を促している。

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「三菱UFJ、最高益下でガバナンス改革の真意」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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