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全人代、唯一のサプライズは李克強首相の目の下のくま

この1年、改革は進まない

2015年3月9日(月)

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 中国政府が3月5日、同国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)を開幕した。同日、李克強首相が政府活動報告を実施、今年1年間の政治方針を明らかにした。

 「サプライズは何もなかった。これで中国国民はついてくるだろうか」。李首相の演説は「中国最大のリスクを露わにした」。富士通総研の柯隆・主席研究員はこう指摘する。

(聞き手は森 永輔)

李克強首相が政府活動報告を行いました。今回のポイントは何だったのでしょう。

柯隆:サプライズは何もありませんでした。

柯隆(か・りゅう)氏
富士通総研主席研究員、静岡県立大学特任教授。1992年、愛知大学法経学部卒業。1994年3月、名古屋大学大学院経済学修士取得。長銀総合研究所を経て、富士通総研経済研究所。最近の研究テーマは中国のマクロ経済動向、中国経済のサステナビリテイと環境公害問題、中国不良債権問題など

 本来なら、2年前の政権発足時に掲げた公約について、何が達成でき、何ができなかったのか、を語るべきです。例えば「脱レバレッジ」について。そして、できなかったのなら、なぜできなかったのか、邪魔をしたのは誰なのかを明らかにするべきです。しかし、そうした話はありませんでした。

 今後の経済改革の具体策についても全く言及なしでした。報告は大きくこんな構造になっていました。まず、改革が「困難」であることを強調。しかし改革は「重要」と続き、がんばって「達成」すると結ぶ。いずれも前から言っていることです。それをどうやって実現するかが大事なのに、それには触れていない。

 李克強首相の演説は、聴衆を感動させる要素が全くありませんでした。表現は平凡で陳腐。李克強首相のスタッフは作文能力が低いのではないかと思わせるものでした。

 パフォーマンスも物足りなかった。前任の温家宝・前首相も実績を上げたとは言えませんが、演説の演出は上手だった。聞かせるものがありました。しかし、李克強首相にはそれもありません。「首相」の地位がずいぶん軽いものになってしまった、との印象を持ちました。これで国民がついてくるのか、懸念しています。

 あえて、サプライズと言えるのは、李克強首相の様子でした。

中国が抱える最大のリスクは…

どういうことですか。

柯隆:目の下にくまができ、とても健康には見えませんでした。知り合いの内科医に尋ねたら、目の下にくまができるのは内臓に問題があるのではないかと言われました。李克強首相の健康状態が近い将来、中国のリスクになるかもしれません。

 今の中国が抱える本当に大きなリスクは経済ではありません。汚職撲滅に一生懸命取り組んでいる習近平国家主席の身辺と李克強首相の健康問題です。

 習近平国家主席の身辺の危険については、日本の人には想像するのが難しいでしょうが、中国を初めとする他の国では現実にあり得ることなのです。アメリカだって例外ではありません。もし、そうなれば、中国中が大混乱に陥るでしょう。汚職撲滅の対象にされる軍の将校たちがクーデターを起こすことも考えられます。

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「全人代、唯一のサプライズは李克強首相の目の下のくま」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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