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コマツ流、儲かる地方創生

甘い夢だけでは続かない

2015年3月10日(火)

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 コマツは4月、粟津工場(石川県小松市)で、地元の山林で採れた間伐材を燃料にするバイオマス発電を始める。バラマキと揶揄されがちな「地方創生」の一環だが、森林組合に求めたコスト管理などその内容はとてもシビアだ。コマツ流、儲かる地方創生の現場とは(後半に野路國夫会長のインタビューを掲載します)。

バイオマスボイラーを導入したコマツの粟津工場(写真:山岸政仁)

 コマツは3月9日、粟津工場(石川県小松市)に導入したバイオマスボイラー設備を報道陣に公開した。木質チップを燃料に毎時3200キロワット相当のエネルギーを生み出し、工場の冷暖房や照明に使う。施設見学後の記者会見には、コマツの野路國夫会長、石川県の谷本正憲知事、石川県森林組合連合会の有川光造会長の3人が並んだ。一企業による省エネ設備のお披露目会見にしては、随分と豪華な布陣だ。

 それには理由がある。粟津工場で4月から本格稼働するバイオマスボイラーは、2014年2月に、コマツと石川県、森林組合の3者が結んだ「林業に関する包括連携協定」の初めての成果だからだ。ボイラーの燃料になる木質チップはすべて、放置されていた地元の山林の間伐材を用いる。コマツが毎日140立方メートルの木質チップを安定的に利用することで、地元の林業が活気づくというわけだ。谷本知事は「地方創生のモデルケースにする」と声を張り上げた。

 地方創生――。安倍政権が掲げるスローガンはいまや、地方行政の流行り言葉だ。全国津々浦々の自治体が「地域の売り」を模索し、生き残れる地方になるために知恵を絞っている。一方で、ありきたりな観光振興や特産品の開発といった「いつか来た道」の繰り返しに陥っている地方も少なくはない。バラマキとの批判も付きまとう。企業が参画する場合も「社会貢献だから」と、コストとして割り切っているケースも散見される。

 コマツはそんな安易な社会貢献に終わらせるつもりはなかった。粟津工場の山下修二工場長は「ただ地元の間伐材を使ってバイオマスボイラーを入れるだけなら、地方貢献とはいえ、やらんかったでしょうね」とばっさり。そもそも北陸電力から1キロワット時20円を切る価格で電力を購入しているコマツにとって、普通に計算するとバイオマスボイラーの導入は非効率的だ。それでも参画したのは、コマツ流の改革をすればペイできるという目算があったからだ。

 コマツは今回導入したバイオマスボイラーで、FIT(再生可能エネルギーの固定買い取り制度)による売電をしない。買取額が政策によって変動することや、負担を国民に付け替えているに過ぎないこと、コマツは発電事業者でなく建設機械メーカーであることなどが理由だ。売電に頼らないのであれば、なおのこと運用コストを切り詰める必要がある。具体的には、(1)燃料となる木質チップの価格をどれだけ抑制できるか、(2)ボイラーから発生するのエネルギーをどれだけ無駄なく使えるか、だ。そこで、自らここにメスを入れた。

林業は「ずぶ濡れの雑巾」

 「原価率はどれぐらいだ?」
 「?」
 「償却の考え方は?」
 「?」

 コマツが県、森林組合と包括協定を結んだ直後、コマツ粟津工場プロジェクト室の三谷典夫・担当部長は、森林組合との言葉の通じなさに愕然としていた。原価率や減価償却といった製造業では当たり前の「意識」が、当時の林業にはなかったのだ。

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「コマツ流、儲かる地方創生」の著者

佐藤 浩実

佐藤 浩実(さとう・ひろみ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社で電機、機械、自動車を6年間取材。13年4月に日経ビジネスへ。引き続き製造業を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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