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言葉は生きている。形容詞も生きている。

少ないけどアルぞ、「形容詞」の新語(後編)

2015年3月24日(火)

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 前編に引き続き「形容詞の最新事情」を探ります。前編では「形容詞の新語」について、どんなキーワードがあるのか、どういう分類ができるのかを分析。その分類のうち「複合による形容詞」について、最新事情を探ってみました。

 後編の今回は「形容詞を短縮した形容詞」「繰り返し系の形容詞」「ネット分野で普及した形容詞」について紹介しましょう。また最後に少しだけ「おまけの話題」に触れます。

短縮系~「難しい」が「むずい」に~

 1970年代に広まった形容詞「むずい」は、筆者が本稿で「短縮系」と呼んでいる形容詞の代表例です。元々は「難しい」と表現していた言葉が短くなって「むずい」となったわけです。

 このような「形容詞の短縮」は、少なくとも1970年代以降は定常的に登場している造語法であるようです。例えば1980年代には、ケバい(けばけばしい)、うざい(うざったい)、1990年代には、きしょい(気色悪い)、キモい(気持ち悪い)、2000年代には、なつい(懐かしい)、はずい(はずかしい)といったキーワードが登場しました。

 細かい話になりますが、形容詞の「どこ」を短縮するかが、事例によって異なるのも面白いところ。ちなみに多くの場合は、言葉の「真ん中」を略します。つまり「なつ『かし』い」を「なつい」と略すわけです。

 いっぽうで言葉の「先頭」を略す方法もあります。「『うすっ』ぺらい」を「ペラい」と略すパターンです。もっとも「うすっぺらい」の真ん中を略してしまうと「うすい」になってしまうので、先頭を略すしかなかったのでしょう。

受験制度の変更が「うざい」を普及させた?

 さて以上で紹介した短縮系の形容詞のうち、個人的に思い入れがある言葉は「うざい」です。実はこの言葉は、東京・多摩地方の方言が全国化したものと見られるのです。

 その辺りの事情を、新方言を専門とする言語学者の井上文雄氏が「日本語は年速一キロで動く」(講談社/2003年7月)にまとめていらっしゃいます。井上氏が「うざったい」(短縮前の語形)について都内の若者や高齢者にアンケート調査を実施して(1981年~87年)、その結果を分析したものです。

 その分析によると「うざったい」や「うざい」が普及する経緯はこんな感じです。そもそも多摩の方言に「うざったい」(鬱陶しい、煩わしい)という言葉が存在しました。ところが1980年代までに、東京23区内の若者たちも「うざったい」という言葉を使うようになったのです。やがて若者のあいだで、短縮形である「うざい」が登場。最終的には「うざったい」も「うざい」も全国化するのです。

 一連の経緯のうち気になる部分は「なぜ多摩から区部へ『うざったい』の利用者が広まったのか?」。その理由について井上氏は、当時の東京都が導入していた「学校群制度」(1967年~81年)が影響しているのでは、と分析しています。

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「言葉は生きている。形容詞も生きている。」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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