• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

『モンスター患者様にお別れを』

自分を大事にしない人のために何をすべきか

2015年3月27日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ご相談

病院に勤務しています。やりがいを感じています。しかし、何しろきつい仕事が続き、残念ながら、もう限界です…。(30代男性)

 遙から

 自分を大事にしない人、自分の身体を大事にしない人とは付き合わないほうがいいと思う。少なくとも距離を置くことをお勧めしたい。

 そう昔に気づいたのは母親がチェーンスモーカーで、結果、肺機能が低下した時だった。喉を切って呼吸をしやすくするか否かの決断を医師から家族に迫られた瞬間だった。

喉を切る寸前から回復後、したことは…

 “喉を切る”だと? 文面ではサクッと書けるが、自分が喉を切ってそこから呼吸することを考えたらとんでもない一大事だと思い、娘の私はそれを承諾しなかった。

 医師から「死んでもいいんですね。それでも切らないんですね」と念を押され、そこまで脅されると決断も揺らいだ。「いよいよ死ぬ、という時に決めます。今は切りません。いよいよ、という時にもう一回判断します」とワナワナと帰宅したのを覚えている。

 幸い、母は喉を切ることなく復活し、その直後に母がしたことは…喫煙だった。

 喫煙のせいで喉を搔っ切るかどうかのハラハラで夜も眠れず家族が待機していたことなど母には関係ない。「わー。元気になった」と喜んで最初にしたことが“喫煙”。いったん助けた命に殺意を抱いた瞬間だった。

 生きるか死ぬかを経験しても、禁煙できない人はできない。もちろん人の生き方は自由だから肺をやられて死のうが、タバコだってアルコールだってどうぞお好きに、だ。

 だが、その人と付き合う家族などは必ずその人の生き方に巻き込まれる。「喉切りますか?」などの決断が否応なしに降りかかってくるのだから。“単身の自由”などない。まずそもそも単身などない。道端で倒れた人でも医師が助ける。やっと助かったと思うや、また身体に悪いことをする。助けた医師は自分の努力をどう思うだろう。やるせないというか、せいがないというか、やりがいがないというか。少なくとも、ちゃんと生きようと思わない人とかかわったらロクでもない後味だけが、かかわった人に残る。

 助けても助けてもタバコをやめなかった母親に、「人を助ける意味はあるのだろうか」と考え込んだほどだ。

「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」のバックナンバー

一覧

「『モンスター患者様にお別れを』」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック