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久美子社長、涙にかすむ株主との対話

大塚家具、「娘勝利」でお家騒動に幕引き

2015年3月27日(金)

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株主総会後、記者会見に臨む大塚家具の大塚久美子社長(撮影:後藤麻由香、以下同)

 経営方針を巡って創業者一族の対立が続いていた大塚家具は27日、東京・有明の本社で定時株主総会を開いた。焦点だった経営陣の選任案は、父親で会長の大塚勝久氏の退任を求めた長女、大塚久美子社長側の「第2号議案」を賛成多数で可決。久美子氏の社長続投が決まった。ただ議案に賛成したのは有効議決権の61%にとどまり、総会では株主から経営の立て直しを求める声が相次いだ。

 総会では収益や企業統治(コーポレートガバナンス)の立て直しを迫る株主に対し、久美子氏、勝久氏ともに従来の主張を繰り返す構図に終始した。オーナー企業が創業者の「ワンマン経営」から、いかに社会の「公器」に脱皮していくのかという本質的な問題を問うべきはずの総会は、さながら「大塚家具劇場」の様相を呈した。

 午前10時過ぎ、ほぼ定刻通りに始まった株主総会には個人株主ら約200人が詰めかけた。昨年の出席者は30人程度だったことからすると、関心の高さは異例と言えるだろう。株主の投票権を示す議決権も18万5307のうち、9割近い16万5340が当日までに行使されたという。

 総会で議長を務めたのは社長の久美子氏。業績、議案の説明が一通り終わると、会長の勝久氏が口火を切った。一株主として自らの社長復帰と久美子氏の退任を盛り込んだ「第5号議案」を説明するためだ。

 「私がやらないと大塚家具だけではなく業界全体がダメになる」「ベンチャーだった三十数年前から日本生命(保険)、東京海上(日動火災保険)の皆さまには株式を持っていただき、大きな迷惑を掛けずにやってきた」。勝久氏の第一声は、まるで投票前日の選挙演説のような切実さに満ちていた。

 勝久氏、久美子氏ともに事前に固めた「基礎票」は2割強で、ほぼ拮抗。大株主の生損保と多数の個人株主を味方に付けることが、勝負の分かれ目となった。

 勝久氏は高ぶる感情を抑えきれなかったのだろう。株主議案の説明にも関わらず、話は次第に家族の歩みに逸れていった。

 「私は5人子供をつくった。その中でも大きく生まれた子は久美子。しかも難産だった。途中で諦めようと思ったが女房が頑張ってくれた」「まだ10年、いや20年、私はできる。今度こそ、後任は間違えないように選びたい」。

 この間も議長席の久美子氏はじっと唇を噛んだまま。うつむきながら時に涙を浮かべる場面さえあった。久美子氏は緊張感が高まると、耳の下から手でボブヘアをかき上げる癖がある。右耳、左耳と交互に髪に触れる様子は穏やかではない心もようを映している。

緊張からか髪をかき上げる大塚久美子社長

コメント8件コメント/レビュー

相変わらず大塚個人商店だと思っている勝久氏が経営の実権を握ることはあり得ないと思う。後は久美子氏が社長として当たり前の会社にすると共に、実績を如何に上げるかに尽きると思う。(2015/03/29)

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「久美子社長、涙にかすむ株主との対話」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

相変わらず大塚個人商店だと思っている勝久氏が経営の実権を握ることはあり得ないと思う。後は久美子氏が社長として当たり前の会社にすると共に、実績を如何に上げるかに尽きると思う。(2015/03/29)

ロゴのインターナショナルデザインセンターが泣きますぜ― どころではなく慟哭そのもの。お家騒動などと自慢気に言ってくださいますな、あな哀し、嗚呼恥ずかしい、いい経年して親子がいがみ合っている図は、表紙が合理主義、民主主義はたまたグローバルに裏打ちされたものであるかどうかは知らねども、中身は士農工商それ以下といった時代化石標本を思わせる。先のロゴにオールドファッションデザイン(センター)の銘も呈上し得ないものだ。平たく言って、これからの家具売りをどうするが親子経営陣の揉めの原点と云うが、腑に落ちない。よしんば割高でも好きで好きで大好きで御社の製品を購入した顧客を忘れてはいませんか。そう、あの時あの店員、あの製品に対する愛情に満ちた説明、その情熱を含め、なれば大切に使おうとの気持でその場面を買った方は想い出す。知ってか知らずか両者が喧嘩している場合ではないでしょう!ノーサイドの意味をしっかり確認し、御社のインテリアが、そのデザインが、消費者の家庭、家族にどんな幸せを運ぶ役目を果たすのかを原点に"商売”願いたいと思うや切如何。(2015/03/28)

端的に言えば、勝久氏は数字を見ずに人を見る。逆に久美子氏は数字を見て人を見ない。勝久氏は久美子氏の性格や出方をよく知っていても、その数字的説明(最新経営手法)が、理解できなかったと思える。一つはたたき上げの経験的手法、一つは理論に基づいた論理的経営手法。折り合える所が無いとは言えないが、説得にはかなりの「力量」が求められる。しかし、勝久氏を傷つけたのは、大きな失敗だろう。良い悪いでは無く、創業者を敬えない企業は、そのブランド価値を大きく落とすからだ。騒動大にして、得るもの無し。だが騒動は終わらないだろう。(2015/03/28)

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