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住商、赤字転落でも伝わらない危機感

次期中計に資源失敗の教訓は生かされるか

2015年4月1日(水)

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 住友商事が、2015年3月期に850億円の連結最終赤字に陥る見通しとなった。昨年9月、主に米国のシェールオイルなど資源開発の失敗で2400億円の減損損失を計上すると発表。それによって2015年3月期の連結最終損益は、期初予想の2500億円から激減して100億円となると発表していた。

 だがその後、石油など資源価格が大幅に下落したことから、減損損失が総額3250億円に拡大。アジア通貨危機があった1999年3月期以来、16年ぶりの赤字に転落することになった。

2015年3月期の連結業績予想(億円)

 住商の中村邦晴社長は3月25日の投資家・マスコミ向け説明会で、「ビジネスのリスクを理解できるだけの経験が足りなかった」と、自らのリスク管理体制の甘さを認めた。

 同社はこれまで、「石橋をたたいても渡らない」と揶揄されるほど、リスクに対する警戒感は他商社よりも高いと言われてきた。「管理部門の発言力が大きく、投資では常に他商社より後手に回る」(ある資源案件の担当者)と営業部門から不満が漏れることも少なくないほどだった。

3月25日の投資家・マスコミ向け説明会で説明する住友商事の中村邦晴社長

 「リスク・リターン」「モンテカルロシミュレーション」・・・。住商が自負してきたリスク管理の手法は、いくつもある。それでも、「個別のリスク検証はやっていたが、会社全体へのインパクトだとか、集中リスクだとかは検証不足だった」(中村社長)。住商がリスクに敏感だというのは、幻想だったと言わざるを得ない。

巨額損失、主な原因は「外部環境の変化」

 住商は昨年9月、経営改革特別委員会を社内に立ち上げ、巨額損失に至った原因の調査と分析を進めてきた。同社は調査結果の詳細を明らかにしていないが、中村社長は説明会で、その主な概要を説明した。それが、以下の内容だ。

経営改革特別委員会による調査報告
調査案件 主要因
米シェールオイル事業 地下リスクの顕在化による生産量の低迷と採算の悪化
ブラジル鉄鉱石事業 投資後の市況の大幅な悪化。港湾確保の遅れなどによる生産開始遅延。設備投資や運用コストの増加
豪州石炭事業 想定以上の市況悪化。南鉱区における拡張開発の未実現
米国タイヤ事業 小売り事業の業績不振。再建計画比での回復の遅れ

 このうち、今回の巨額損失の主な原因になった米シェールオイル事業とブラジルの鉄鉱石事業を見てみると、損失の要因が主に外部環境の変化にあったと結論づけていることが分かる。確かに、中村社長が会見で指摘したように、昨年9月時点から850億円もの追加減損が発生した原因の1つは、想定外の原油価格の下落にあったのは事実だろう。

 だが、昨年9月に住商が巨額減損を発表して以降、投資家などからは同社の経営手法自体への不信感が募っていただけに、こうした説明だけでは納得しない市場関係者も少なくない。ある証券アナリストは、「期待していたのは、ゼロベースで新たな方向性が示されること。だが、新中計でも2019年度に連結純利益4000億円以上を目指すなど基本方針は何も変化なく、対処療法的に終始している」と話す。

減損損失の主な内訳(億円)
2014年9月時点 2015年3月時点
減損損失総額 2400 3250
米国シェールオイル開発事業 1700 2000
ブラジル鉄鉱石事業 500 650
米国シェールガス/北海油田事業 400

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「住商、赤字転落でも伝わらない危機感」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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