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財政にも金融緩和にも限界がある

年金より医療と介護の改革が不可欠

2015年4月6日(月)

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 「2年で2%」というインフレ目標を強くアピールした異次元緩和(量的・質的金融緩和)が始まってから2年が経過した。この間、1ドル=約75円であった為替レートは1ドル=約120円となり、約8000円であった日経平均株価は1.9万円にまで上昇した。だが、昨年4月の消費増税に伴う効果を除けば、足元(今年2月)のインフレ率(CPIコア)は前年同月比0.0%という状況だ(図表)。

インフレ率(CPIコア)の推移(前年同月比、単位%)
(出所)総務省

 異次元緩和でデフレ脱却を図るという試みは壮大な実験であった。この実験は、完全に失敗に終わったと評価できよう。原油価格の急落の影響もあり、現在のところ、「2年で2%」というインフレ目標は実現できていない。

 この厳しい現実は、日銀自身も認識しているはずである。なぜなら、日銀はインフレ目標の達成期限を、時間が経過するたびに修正してきたからだ。

 まず、2013年に異次元緩和を開始した直後、日銀の黒田東彦総裁は「2年で2%」を強くアピールした。だが、2013年4月下旬には「2年程度で2%程度」と、「程度」という表現が加わった。そして、2014年10月の量的・質的緩和第2弾後の展望レポートでは、「2015 年度を中心とする期間に2%程度」に変化した。

 こうした修正から明らかなように、もはや日銀自身も、2%インフレ目標を早急に実現できると確信してはいない。また、政府・与党も、2%のインフレ目標を早期に実現するスタンスを後退させつつある。今年4月の地方統一選挙を控え、円安が急速に進む悪影響を懸念している。

 なお、筆者は以前から、「2%のインフレ目標を実現することは容易でない」旨の情報を発信してきた。この理由は、過去のインフレ率(CPIコア)の推移を見ると、バブル期(1986~1989年)でさえ、年平均インフレ率は1%弱に過ぎなかったからである。平時にインフレ率が2%を超えたのは1985年が最後であった。90年・91年、97年、2008年はインフレ率が2%を超えているかそれに近づいた。だが、これらはそれぞれ湾岸戦争、消費増税、原油価格高騰が影響したからだ。

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「財政にも金融緩和にも限界がある」の著者

小黒 一正

小黒 一正(おぐろ・かずまさ)

法政大学経済学部教授

1974年生まれ。京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。専門は公共経済学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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