• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

トヨタ、「工場凍結解除」の勝算

元町工場で見た「新規投資4割減」の現場

2015年4月7日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 トヨタ自動車が2013年から「凍結」してきた新工場の建設を再開することが明らかになった。2018年に中国で年産10万台の工場が、2019年にはメキシコで年産20万台の工場がそれぞれ稼働を始める予定だ。独フォルクスワーゲン(VW)などの競合が世界各地で生産能力を高めるなか、「意志ある踊り場」と公言して既存工場の改善や生産設備の見直しに資源を振り向けてきたトヨタ。凍結解除の背景には両地域での旺盛な自動車需要に加え、トヨタ内部の改革が目に見える形で現れてきたことがある。

 最たるモノがリーマンショックの起きた2008年と比べて、新規投資を4割抑えた、需要変動に強い工場を作れるようになったことだ。元町工場(愛知県豊田市)にある生産技術部門で目にした最新の取り組みを詳報する。

 「2002年ぐらいからトヨタは毎年50万台ぐらい増産をしました。けれどリーマンショックや(米国で問題になった)品質問題もあって、ずいぶんと減産せざるを得ませんでした。その時に、本当に痛手を被った。お客さんにクルマを届けようと、どんどん作ることを全世界でやっていたんだけど、考える時間がなくなっていた。自動化もどんどん進めたんだけど、ややもすると、知恵の入っていない自動化をたくさんしていた」

 4月3日、トヨタの新任役員と地元メディアなどとの懇談会の場で、生産や人材育成を担当する河合満専務役員はこう、反省の弁を漏らした。2年ほど前の2013年初めに、トヨタが「新工場の建設を3年間凍結し、既存工場の生産性向上に力を注ぐ」という方針を決めるきっかけとなった原体験である。2015年3月期決算で過去最高益の更新が確実視されるトヨタだが、下のグラフが示すように、数年前はクルマが売れなくなった途端に業績も急落。経理部門が長かった槇祐治常務役員は「2007年までの生産拡大の償却負担が非常に大きくのしかかった」と振り返る。

生産台数が落ち込み、業績も低迷した

 しかし、こうした反省に基づく「新工場建設の凍結」はついに解かれることになった。懇談会では誰も明言こそしなかったが、ここ1~2週間、国内外の複数のメディアがメキシコや中国への新工場建設を報じている。4月中旬にはトヨタ自身が正式発表する見込みだ。

 詳細はそちらを待とうと思うが、この意思決定がなされた背景には河合専務役員が述べた「知恵の入っていない自動化」が解消されてきたという事実がある。より噛み砕いて言うと、「忙しいから、クルマを作るための機能をとりあえず満たしている機械をたくさん買って並べる」(河合氏)といった状態をトヨタが抜け出して、これからのクルマづくりに最適な工場の形を考えられるようになってきたということだ。

 生産技術部門を担当する牟田弘文専務役員は工場・設備の初期投資について「2008年に比べて40%低減するめどがついている」と話す。過剰な性能やコストといったムダがなくなるそうだ。決して小さくはない比率での投資単位の引き下げを、どうやってトヨタは可能にしたのか。

 3月下旬、筆者はトヨタの元町工場(愛知県豊田市)で開かれた説明会で、今後の新工場に導入されるであろう新しい生産技術を垣間見る機会を得た。

コメント2

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

「トヨタ、「工場凍結解除」の勝算」の著者

佐藤 浩実

佐藤 浩実(さとう・ひろみ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社で電機、機械、自動車を6年間取材。13年4月に日経ビジネスへ。引き続き製造業を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

機械を売るんじゃなくて、電気が欲しい方に電気が起きる装置をソフトも含めて売るビジネスをしていこうと。

田中 孝雄 三井造船社長