• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

任天堂とDeNA、提携の成否を握る「持たない強み」

気鋭の経営学者が読み解く舞台裏と将来性

2015年4月9日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 任天堂とディー・エヌ・エー(DeNA)──。反目し合うライバルと見られてきた2社が突然に発表した業務・資本提携。その裏にあるとみられる両社の思惑は何か。そして提携の将来性は。

 ソニーのOBで、国内外のエレクトロニクス企業の経営に詳しい長内厚・早稲田大学ビジネススクール准教授(専門は技術経営・経営戦略論)が分析する。

提携発表の共同記者会見で握手する任天堂の岩田聡社長(右)とDeNAの守安功社長(写真:陶山勉)

 3月17日に発表された任天堂とDeNAの業務・資本提携──。このニュースを驚きをもって受け止めた人が多いだろう。一方で、家庭用ゲーム機の「Wii U」などのゲーム専用ハードウエアビジネスが不調な任天堂と、ウェブベースのソーシャルゲームビジネスからの脱却に遅れていたDeNAが、何らかの次の一手を打つ必要に迫られていたことは、予想の範疇であったかもしれない。

 こうした状況を踏まえて、「弱者連合」と評する向きもあるが、筆者はそうした意見には同調しない。むしろ、熟考の上に考えられた戦略である可能性が高いと踏んでいるからだ。

ガラケー時代の国内有力ソーシャルメディアの事業転換

 筆者が、任天堂とDeNAとの提携に単なる弱者連合以上の意味を見いだそうとしているのは、特に任天堂サイドの戦略として見ると、今回の任天堂の決断がこれまでの同社の戦略と基本的には変わらないからだ。

 3月24日に日経ビジネスオンラインに公開されたDeNAの守安功社長へのインタビュー記事「任天堂と提携できた理由、DeNA守安社長が語る」によると、今回の提携はDeNaから任天堂への提案であり、しかも2010年6月から5年越しの交渉の成果だという。

 提携合意に5年の月日を要したのは、任天堂の決断が遅れたというよりも、DeNA側は事業環境の変化に対して強いコンテンツやキャラクターを有する提携先を探さなければならない焦りがあったかもしれないが、任天堂としては、既存事業の延命と新規事業へのシフトのタイミングを見計らっていたのかもしれない。

 DeNAは、所有するプロ野球球団の名称問題でも有名になった「モバゲー」と呼ばれる、当初、いわゆるガラケーやパソコン(PC)向けのウェブベースのゲームのプラットフォームを提供してきた。モバゲーそのものはゲームではなく、もともとは2006年に提供を始めたSNS(交流サイト)である。

 ゲームビジネスは2008年から始めたが、それもウェブ上のゲームプラットフォームとゲーム内での課金システムを提供するビジネスであり、実際のコンテンツは様々なパートナー企業から提供を受けていた。

 その後の、携帯電話市場におけるガラケーからスマートフォン市場へのシフト、フェイスブックやツイッターといった新たなソーシャルメディアの台頭により、モバゲーもスマホ上のサービスを開始した。

 しかし、そもそも、ゲームの配信と課金のシステムには、米アップルの「iPhone」の「APP Store」や米グーグルのOS(基本ソフト)である「Andoroid」の「Google play」など、スマホで標準的に提供されているプラットフォームがある。そのため、スマホ上でDeNAがゲームプラットフォームを提供する必然性は低下していた。

 これは、DeNAだけが直面した問題ではない。ミクシィやグリー、コロプラなど、ガラケー時代のソーシャルサービス全般が既存の事業の縮小と転換を余儀なくされ、スマホゲームアプリ(自社プラットフォームを使わない単体アプリ)の開発にシフトした。

 今日では、スマホゲームのビジネスでは、アップルやグーグルが提供するプラットフォーム上の単体アプリゲームが主流となり、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」やミクシィの「モンスターストライク(モンスト)」のヒットが有名である。

 ミクシィは一時期、自社のソーシャルメディア上でのゲームサービスを模索した時期もあったが、結果的には、従来のプラットフォームを捨て、モンストを単独ゲームアプリとして提供したことで業績を回復している。

コメント0

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

面倒くさいことを愚直に続ける努力こそが、 他社との差別化につながる。

羽鳥 由宇介 IDOM社長