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混迷するイエメン情勢:米国とフーシ派が手を握る可能性

  • 和田 大樹

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2015年4月10日(金)

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 アラビア半島最南端の国、イエメンで、ザイド派(シーア派の一派)の民兵組織フーシ派(指導者はアブドルマリク・フーシ)が“事実上の国家統治”を着実に進めている。イエメン北部を拠点とするフーシ派は昨年9月以降、首都サヌアを掌握。スンニ派のマンスール・ハディ大統領に対して自治権の拡大などを強く求めいたが、今年1月に同大統領が自ら退陣したことから、自らがイエメンを指導していくと宣言した(同大統領は2月に辞任を撤回している)。2月には国会に当たる暫定的な国民評議会を設置している。

 フーシ派はその影響力をサヌアよりも南の地域へも拡げようとしている。3月には同国第2の都市アデンに避難していたハディ大統領の公邸に攻撃を加えた。要衝バベルマンデブ海峡に近い都市タイズの空港も占拠している。

 イエメンで行動を活発化させているのはフーシ派だけではない。イエメン国内の構図は非常に複雑化している。フーシ派以外のザイド派がイエメン南部のスンニ派地域、紅海沿いのフダイヤなどを実行支配している。また軍部は、ハディ大統領支持派(スンニ派)とサレハ元大統領支持派(シーア派)に分裂した。AQAP(アラビア半島のアルカイダ)から枝分かれしたアンサールアルシャリーア、さらにより穏健なムスリム同胞団系組織も活動を活発化している。

スンニ派 vs シーア派のパワーゲームがイエメンでも

 今回のフーシ派による事実上のクーデターは、33年に及ぶ独裁体制を敷いてきたサレハ元大統領を退陣に追い込んだアラブの春以上に、イエメンの政情を不安定にしている。というのも、単なる国内事案で収まる問題ではないからだ。イエメンの多数派はスンニ派だ。であるにもかかわらず、首都サヌアをシーア派であるフーシ派がコントロールするようになった。イスラム国が活動するイラクやシリアと同じような宗派対立がイエメンでも起こっているわけだ。

 そしてこの混乱の背後にはスンニ派国家とシーア派国家の覇権争いがある。すなわちスンニ派国家――サウジアラビアやヨルダン、UAEなど――とシーア派の大国であるイランとの対立だ。スンニ派とシーア派の違いは、ムハンマド後の後継者について、スンニ派が血統的な世襲には拘らない一方、シーア派はムハンマドの血を引く子孫を重視する。

 アラビア半島におけるスンニ派vsシーア派のパワーゲームは、ここイエメンでも現実のものになろうとしている。すなわちイランはフーシ派側に、サウジアラビアなどはハディ陣営の武装組織や地元のスンニ派勢力側につき、それぞれ軍事、財政的支援を密かに行っているとみられる。例えばサウジアラビアやヨルダン、UAEなどで構成されるスンニ派国家10カ国による有志連合は、3月26日からフーシ派に対する空爆を実施している。これが長引けば、宗派対立を軸としてイエメンの政治、治安がさらに不安定になるであろう。

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