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インダストリー4.0を流行語で終わらせないために必要なこと

ハノーバー・メッセで見た“新産業革命”の理想と現実

2015年4月17日(金)

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 4月13日から17日にかけて、ドイツ北部の都市ハノーバーで産業技術の国際展示会「ハノーバー・メッセ」が開かれている。ドイツを中心に、世界各国の産業機械関連メーカーやソフト会社が参加する世界最大級のイベントだ。今年の話題はもちろん、「Industrie 4.0(インダストリー4.0)」。日本でも注目を集めている同構想への関心は高く、関連展示には大きな注目が集まった。

 インダストリー4.0に関連したイベントはいずれもほぼ満席状態。「Industrie4.0」と銘打ったブースには黒山の人だかりができ、熱心に説明を聞く来場者の姿が目についた。今年は例年以上に日本企業からの視察も多かったという。

 「Integrated Industry(産業の統合)」を掲げる壮大な構想には、欧州だけでなく中国やインドといった大国も賛同しており、単なるブームを越えた大きなうねりとなりつつある。少なくとも言葉としては米国の「インダストリアル・インターネット」を凌ぐ勢いで広まっていると言っていい。もちろん、壮大な構想の実現には、乗り越えるべき課題はいくつもある。ハノーバー・メッセの現場から見えた、”新産業革命”の理想と現実をリポートする。

イベント初日に会場に訪れたドイツのアンゲラ・メルケル首相(左)。今年は展示会のメインパートナーとしてインドが参加、ナレンドラ・モディ首相(右)が基調講演に登壇した

 ハノーバー・メッセ初日、今年も昨年に続きドイツのアンゲラ・メルケル首相が登場した。今年のイベントパートナー国であるインドのナレンドラ・モディ首相と共に、会場内を視察。インダストリー4.0が国家の肝いりプロジェクトであることを国内外に改めて印象づけた。

 「第4次産業革命」とも表現されるインダストリー4.0。その内容についてはご存知の読者も多いかも知れないが、端的に表現すれば、「工場のデジタル化を産官学で推進するプロジェクト」と言える。日経ビジネスオンラインでも過去に何度か関連記事を掲載しているので、詳細はこちらのコラムなどをご覧いただきたい。

本質はすべてが「つながる」こと

 工場のデジタル化についてもう少し具体的に言うと、その作業は2つに集約される。1つは、製造に関わる機械をすべてネットワークに接続すること。もう1つは、製品の上流から下流までのあらゆる工程(開発・生産・流通)で扱うデータを共通化することだ。これら2つの作業が完了すると、1つの商品の開発から生産、流通までの情報を一気通貫で管理できるようになる。

 開発から流通までのデータを一気通貫で扱えるようになると、何が良くなるのか。メリットの1つとして謳われているのが、製造工程の自動化だ。例えば、製品を工場で実査に製造する前に、部品の供給量のデータが製造装置に送られ、自律的に生産量を調整するといったことが可能になる。同様に、完成した製品が流通後にどれだけ出荷されたかというデータに基づいて生産量を管理することもできる。

 従来との決定的な違いは、人間の予測が介在しないこと。すべて、事実に基づいた定量データから機械が自動的に生産量を調整することになる。これがいわゆる「スマート工場」と呼ばれるもので、部品や在庫などの状況をセンサーが常にとらえ、必要な時に必要な分だけ自動的に発注・製造が可能になる。既にドイツのシーメンスの工場などではこうした実験が始まっている。

 今年のハノーバー・メッセでは、スマート工場を想定した産業機器の展示が目立った。例えば、産業機械大手のABBは、下の動画のような人と協調して生産活動をする製造ロボットを披露した。「これまで、安全確保の面から機械と人の生産工程は分けてきたが、スマート工場が進化すれば、こうしたコラボレーション型の製造は増えていく」。ABBのウルリッヒ・シュピースホーファーCEO(最高経営責任者)は言う。

人間と協調して生産活動を行うロボット。従来、ロボットと人間の生産工程は事故防止の観点から製造工程は分けられている場合が多い

 さらにこれが進化していくと、ロボットが自律的に工場内を移動し、ボトルネックとなっている組み立て作業を受け持つ。役割を能動的に変えながら、生産性を落とすことなく、活動を続けることができるという。

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「インダストリー4.0を流行語で終わらせないために必要なこと」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師