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ネットとマスコミで異なる「ぼっち」の意味

ネットスラング「ぼっち」の徹底研究(後編)

2015年4月21日(火)

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 前編に引き続き「ぼっち」という言葉について徹底的に分析しましょう。後編の今回は、ぼっちが気になりやすい状況や、芸能界とぼっちの関係、メディアやマーケターの視点から見たぼっち、といった話題を取り上げます。

「食事風景」は孤立のバロメーター

 前編では、ぼっちという概念のあらましについて説明しました。この言葉がネットで誕生したこと。大学などの小さな社会のなかで孤立する状況を意味すること。その背景に、人間関係の階層構造が存在すること。そして、ぼっちが登場する文章の多くで、ぼっちはネガティブなニュアンスを持っていること(例「新学期からぼっち感を味わいたくない」)などが分かりました。

 さて若者が孤立を痛切に実感する場面が2つあります。「食事」と「恋愛系のイベント」です。まずは、食事に関係するぼっちについて観察してみましょう。

 そもそも、ぼっちの具体例を挙げる際「大学の学食でひとりきりになる状況」と説明する人が少なくありません。そのような食事風景のことを特に「ぼっち飯」と呼びます。現代用語の基礎知識では、2012年版(2011年末発行)に初めて登場しました。

 ぼっち飯に似ている既存の概念として、筆者が個人的に思い出すのが「ランチメイト症候群」です。これは精神科医の町沢静夫さんによる造語。食事相手がいないことを恐れる心理や、1人で食事する姿を見られたくない心理を指します。同氏の分析によると、1990年代以降、若者の間でそういった心理状態が現れ始めたと言います(参考「現代用語の基礎知識」2002年版)。

 ところで「ランチメイト症候群」は、もともとOLや高校生や大学生など様々な立場の若者で生じ得る「症状」でした。大学生限定の概念ではないのです。

 このランチメイト症候群を、学食の食事風景という場面向けに定義し直したのが「ぼっち飯」なのでしょう。

 最近ではぼっち飯を嫌う学生心理に対応するため、具体的な措置を講じている大学があります。例えば大東文化大学の東松山キャンパスでは、学食の一部に通称「ぼっち席」と呼ばれる席が設けられているそうです。向かい合わせで着席可能な大きなテーブルの中央部分に、対面の人と目が合わないよう「半透明の仕切り」を設けたものです。つまりファストフード店などと似た仕組みが、大学の学食にも登場しているわけです(参考:産経新聞2016年1月12日「『もう1人でも怖くない』大学公認“ぼっち席”学食に広がる」)。

 ともあれ「学生がどのように食事をとるのか」は、その学生がコミュニティーのなかで孤立しているかどうかを測るバロメーターになっているわけです。

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「ネットとマスコミで異なる「ぼっち」の意味」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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