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キリン低迷の原因は「ヒット不足」ではない

『マクドナルド 失敗の本質』の著者に聞いた首位陥落の真因(前編)

2015年4月24日(金)

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 ビール大手4社の2014年12月期連結決算が出そろった今年2月。キリンホールディングスの連結売上高は前年比2.6%減の2兆1957億円にとどまったのに対し、サントリーホールディングスは同20.3%増の2兆4552億円に。長らく国内食品メーカー首位を保っていたキリンが、ついにサントリーにその座を奪われた。

 なぜ首位交代劇は起きたのか。近著『マクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデル』がベストセラーになるなど、国内外の流通・マーケティング動向に詳しい小川孔輔・法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科教授に見解を伺った。

(聞き手は中野目純一、構成は小林佳代=ライター/エディター)

2014年12月期の連結決算で、キリンホールディングスは売上高で初めてサントリーホールディングスに抜かれ、長らく保っていた食品メーカー首位の座から陥落しました。歴史的と言って良い首位交代劇だと思いますが、どう見ていますか。

小川:本当にそうですね。データを見ると強烈です。1970年代~80年代半ばまで60%を超えていたキリンのビールシェアは今や30%台。30年間で半分に減ってしまったのですから、大変なことです。

なぜキリンはこれほど低迷しているのでしょうか。外的要因と内的要因に分けて考えられると思います。それぞれ解説していただきたいのですが、まず外的要因としては何がありますか。

小川 孔輔(おがわ・こうすけ)
法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科教授。1951年秋田県生まれ。74年東京大学経済学部卒業。76年同大学大学院社会科学研究科(経済学専攻)を修了し、博士課程に進学。78年博士前期課程を修了して中途退学。76年法政大学経営学部研究助手。講師、助教授を経て86年から2010年まで同学部教授。2004年から現職。日本フローラルマーケティング協会会長、日本マーケティング・サイエンス学会代表理事なども務める。『マネジメント・テキスト マーケティング入門』(2009年、日本経済新聞出版社)、『ブランド戦略の実際〈第2版〉 (日経文庫)』(2011年、日経文庫)、『マクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデル』(2015年、東洋経済新報社)など著書多数(写真:ネットレコーダー・ソリューションズ)

小川:大きく2つあります。1つはビールそのものの市場が縮小していること。消費者の嗜好の多様化によって、アルコール類の中でビールのシェアが落ちているのです。

 特に若い人はビールを飲まなくなっていますね。私も大学生や大学院生と一緒に飲みに行くと実感します。昔、私たちの世代は「とりあえずビール」でスタートしたものですが、今はそうではない。10人いるとしたら、最初にビールを頼むのは2人ぐらい。あとはチューハイやカクテルを飲んでいます。あんな甘いものでいいのかと思いますけど(笑)。

 よくビールを飲んでいた我々の世代も、かつてのビール、それも「ラガー」一本槍から変わりました。焼酎もワインも人気だし、和食好きな人なら地酒をよく飲んでいます。山口県の「獺祭(だっさい)」とか、秋田県の「新政」とか、地方の小規模な酒造メーカーの日本酒がとても伸びていますね。

 キリンには飲料事業もワイン事業もありますが、やはり基幹はビール事業。こうした消費者の嗜好の変化、市場の伸び悩みが長期的にキリンの収益に大きな打撃を与えました。

 もう1つの外的要因はライバルメーカーが非常に強くなったことです。サントリーは何十年もビール事業で赤字を続けていたけれど、「ザ・プレミアム・モルツ」のヒットなどでシェアを伸ばし、黒字化も果たしました。ここのところ非常に良くなっています。

 また「スーパードライ」の台頭で、30年来キリンとの激しい戦いを繰り広げてきたアサヒホールディングスも依然、健闘しています。

 キリンは強くなったライバルメーカー2社に挟まれた格好になっているのです。

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「キリン低迷の原因は「ヒット不足」ではない」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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