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ニート、フリーターが10日間の研修で正社員

採用難が生む人材紹介の新モデル

2015年4月27日(月)

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 4月中旬、東京・西新宿にあるオフィスビルの一室。リクルートスーツ姿の20代の若者が、企業の採用担当者と机を挟んで向かい合う。驚くような大きな声でのあいさつと自己紹介が終わると、熱気を帯びた面接が始まる。

 新卒の合同就職セミナーなどでは、企業の担当者の話をおとなしく聞く学生の姿が目立つ。この場は違った。積極的に質問しているのは求職者である若者の方。所定の12分が経過すると大きな声で「ありがとうございました!!」と礼を言い、隣の企業の机に移動する。

エンカツの参加者と企業の合同面接会。参加者は驚くほど大きな声であいさつする

 これは、人材会社エン・ジャパンが昨年7月に始めた20代限定の就職支援サービス「エンカツ」の光景だ。このサービスでは、フリーターやニート、内定を獲得できずに大学を卒業したり、就職後すぐに会社を辞めたりしてしまった人物など、対象を20代に限定している。参加者に共通するのは営業職への興味と「正社員になりたい」という動機だ。

 記者が取材した日の参加者は26人。4月ということもあり、就職先が決まらないまま大学を卒業したいわゆる「第2新卒」も目立つ。誰もがはつらつとした若者に見えるが、「研修の初日は挨拶するのもやっとで声も小さく、相手と目も合わせられないような人が多かった」とエンカツの責任者であるエン・ジャパン育成型紹介部の林善幸部長は話す。

 参加者を変えたのが2週間、合計10日間の研修だ。連日、朝から夕方まで、ビジネスマナーに始まり、「主体的に変化する」「目標必達」「仕事を楽しむ」など、社会人や営業職に必要な考え方をあの手この手で伝える。

 例えば、数人のグループに分かれてレゴブロックを組み立てるプログラム。要求された形状に組み立て、それを製品に見立てて一定の価格で売り、売り上げを競い合う。そしてその結果について、「なぜ他のグループよりも売り上げが低いのか」「なぜ残り時間でもう1つ作ろうとしなかったのか」など、参加者一人ひとりに担当者が付いて「スパルタ式」の指導を徹底する。「有料の就職セミナーでは参加者が嫌がる研修はやりにくく、面接対策など小手先のノウハウに終始しがちになる。無料だから厳しく鍛えられる」と林部長は話す。

 参加者はどう感じたのか。家電量販店で派遣社員として携帯電話の販売を担当していた26歳の男性は「これまでの職場ではリーダー的存在で自信もあったが、正社員になれる可能性がほとんどなかった。研修を通じて、改めてチャレンジしようという気持ちが湧いた」。この4月に大学を卒業したばかりの23歳の女性は「就職活動では志望業界を絞りすぎたため結果が出なかった。研修で自分に何ができるかを改めて考え、視野が広がった」と話す。受け止め方はそれぞれだが、同じような境遇と目的意識を持つ同世代の参加者と刺激し合うことで、考え方が大きく変わるケースが多いようだ。

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「ニート、フリーターが10日間の研修で正社員」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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