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大手百貨店、相次ぐ「ミニ店舗」の真意

マスマーケティングの終焉を象徴、すべてはセレクトショップ化する

2015年5月13日(水)

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 大手百貨店が外部の商業施設に新業態の中小型店を出店する動きが相次いでいる。

 三越伊勢丹ホールディングスは4月3日、衣類、雑貨を集めた小型セレクトショップ「イセタンサローネ」の1号店を、六本木の東京ミッドタウンにオープンした。

 高島屋も食料品店「タカシマヤフードメゾン」を駅ビルなどで展開。東急百貨店も来春、グループ会社の東急不動産が手掛ける大型商業施設内にセレクトショップを開業する。

 百貨店各社が「ミニ店舗」に挑戦する狙いは何か。どれほどの成果が期待できるのか。近著『マクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデル』が話題となるなど、国内外の流通・マーケティング動向に詳しい小川孔輔・法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科教授に解説してもらった。

(聞き手は中野目純一、構成は小林佳代=ライター/エディター)

4月、東京ミッドタウンに三越伊勢丹ホールディングスが新業態のセレクトショップ「イセタンサローネ」を出店しました。900平方メートルの店内に衣類や雑貨など90の高級ブランドを集めています。ほかにも、大手百貨店が商業施設にセレクトショップ的な「ミニ店舗」を出店する事例が相次いでいます。なぜでしょうか。

小川:戦後、米国の小売業をモデルに発展してきた日本の小売業のあり方が変わってきたからです。百貨店に限らず、量販店もホームセンターも、人がたくさん集まるところに大型店舗を出し、ある一定のターゲット層を対象に商売をするというのが、これまでの小売業の典型でした。

 百貨店の場合は都市部に住み、お金を持っているアッパークラスがメーンターゲット。また我々のようなミドルクラスがハレの機会に使う呉服、来客用の食器、発表会用の子供服、ギフト用品なども取り込んでいました。

 この従来型の百貨店ビジネスが成り立ちにくくなっています。

どういうことでしょうか。

小川:百貨店がターゲットとしてきた顧客層が、百貨店であまり買い物をしなくなってきたということです。

小川 孔輔(おがわ・こうすけ)
法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科教授。1951年秋田県生まれ。74年東京大学経済学部卒業。76年同大学大学院社会科学研究科(経済学専攻)を修了し、博士課程に進学。78年博士前期課程を修了して中途退学。76年法政大学経営学部研究助手。講師、助教授を経て86年から2010年まで同学部教授。2004年から現職。日本フローラルマーケティング協会会長、日本マーケティング・サイエンス学会代表理事なども務める。『マネジメント・テキスト マーケティング入門』(2009年、日本経済新聞出版社)、『ブランド戦略の実際〈第2版〉 (日経文庫)』(2011年、日経文庫)、『マクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデル』(2015年、東洋経済新報社)など著書多数(写真:ネットレコーダー・ソリューションズ)

 まずメーンターゲットであるアッパークラスのお金持ち。もちろん、百貨店を全く利用していないわけではありません。全国百貨店の全店売上高はここ1~2年、前年実績を上回っていますが、その理由はアッパークラスの需要が膨らんだからです。景気改善、株高などで、お金持ちの財布のひもが緩んだのですね。

 けれど、かつてに比べると百貨店を利用する機会も購入額も確実に減ってきています。

 従来であれば百貨店で買い物をする層に当てはまる「ニューリッチ」と呼ばれる層の需要も十分に取り込めていません。ベンチャー企業の経営者とか、MBA(経営学修士)を取得したエグゼクティブとか、ある程度のお金を持っている人たちです。

 さらには団塊世代。中には金融資産が1億円以上ある人もいます。彼らも「ハレ」の機会には東京、大阪などの老舗百貨店の売り場を利用してきましたが、最近ではそうではなくなっています。

ではかつて百貨店がターゲットとしていた顧客層は今、どこで買い物をしているのでしょうか。

小川:専門店、駅ビル、ショッピングセンターなどで買うことが増えています。

 銀座の裏通りには上質で高級なアパレルショップ、ジュエリーショップがたくさんありますし、目黒通りには輸入家具店が建ち並んでいます。「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」「グランツリー武蔵小杉」など、都心から離れた場所にも話題のショッピングセンター(SC)が次々に登場しています。選択肢が非常に広がり、わざわざ都心の百貨店に出向かなくても欲しい品が手に入る場面が増えているのです。

 こうなると、百貨店としては日本橋や銀座、新宿に店を構えたまま、顧客が来るのをじっと待っているわけにはいきません。自分から積極的に顧客の方に出て行かなくてはいけなくなっているのです。それが、外部の商業施設への出店という形で表れています。

 商業施設内となれば出店スペースは限られますから必然的にミニ店舗になります。総合的な品揃えは無理ですから、ある分野に特化したセレクトショップを作るという流れになっているのです。

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「大手百貨店、相次ぐ「ミニ店舗」の真意」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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