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中国のGDP統計はオオカミ少年か?

  • 門倉 貴史

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2006年4月17日(月)

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 近年の中国経済は驚異的なスピードで成長しています。2005年の経済成長率は9.9%増。景気が回復してきたとはいえ、同年の日本の成長率は+2.7%にとどまっているので、中国は日本の約4年分の成長を、わずか1年で達成している計算になります。

 ただし、これはあくまで、GDP(国内総生産)統計が正しいという前提に立っての話です。

中国当局も大きな誤差を認める

 実は、中国のGDP統計については従来からその正確性・信憑性について疑問が投げかけられており、内外のエコノミストの多くは中国の経済成長率が実態から乖離していると考えています。

 かつては1年間が終わる前の12月にその年のGDPが発表されていたというエピソードからも、いかに統計が大雑把に作られていたかがうかがい知れます。最近では、GDP統計を作成している中国の国家統計局自らが、GDP統計にかなりの誤差が生じていることを認めるようにすらなりました。

 実際、中国のGDP統計を詳細に検討していくと、様々な歪みが表れていることが分かります。例えば、中国の各地区のGDPを足し上げていくと、その値が国全体のGDPを大きく上回ってしまうという衝撃的な事実が挙げられます。こうした事態が発生する背景には、各地域がGDPを水増しして中央政府に報告していることがあります。

地方自治体でGDP過大推計が横行

 GDPの実績が各地方の公務員の給与に反映されることから、多くの地区はGDPを「えい、やっ」と作為的に過大推計してしまうのです(中央政府へ納める税金を減らすためにわざと低めに推計する地域もあります)。これまでの中国国家統計局の内部調査により、データを故意に改ざんしていた地域が多数存在することが明らかになりました。

 中央政府はこうした水増し分をできるだけ取り除いて全国の数字を推計しているため、地方合計値と全国値の間には大きな乖離が生じるのです。それでもこうした水増し分を十分に除去できているわけではなく、実質GDP成長率には少なからず上方バイアス(偏りや歪み)がかかることになります。

 また、電力需要量の動きも、これまでの中国の実質GDP成長率が実態と乖離していたことを示唆するものとなっています。世界中どの国においても電力消費は現実の経済活動にほぼ比例して変動することが知られており、電力消費の動きと実質GDPの動きが乖離する場合、それはGDP統計が現実の経済の動きを反映していないことを示唆します。

(次は「電力消費量の伸び率が見せる真実」)

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