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「ゴールデンウィークを廃止せよ!」

中国の「黄金週」に見る、一極集中の歪み

  • 田中 信彦

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2006年5月9日(火)

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 日本ではゴールデンウイークが終わったばかりだが、中国にもゴールデンウイーク(「黄金週」と呼ぶ)はある。そして、「ゴールデンウイークを廃止せよ」という議論が出てきている。以前の「等しく貧乏」な時代から、「小資(シャオヅー)」と呼ばれる小金(こがね)持ちが溢れる時代になり、短期間に人が集中豪雨的に繰り出すため、社会インフラがにっちもさっちもいかなくなりつつあるからだ。

 例えば、皇居は日本にひとつしかないが、中国にだって故宮はひとつしかない。でも人口は10倍だから、どうしたって混む。消費は喚起せねばならないが、インフラの容量を考えると、総量規制するか発生を分散させるしかない。中国の苦悩はこんなところにもある。

 「黄金週」の習慣はもともと中国にはなかった。ただ5月1日のメーデーは「労働者の国」を標榜する中国では重要な祝日なので、 昔から前後の日曜日を出勤にし、休みを寄せ合わせて3連休にする習慣があった。それが週休2日制の普及で自動的に2+1+2の5連休になり、いつの間にか政府がメーデーを3連休とするようになって、2+3+2の7連休になった。

祝日出勤は給料3倍返し!

 政府が長い休みにしたがる理由は2つある。ひとつは中国社会は人が余っているので、1人の勤務日数をできるだけ減らし、多くの人に職を行き渡らせようという一種のワークシェアリングの発想である。もうひとつは連休にすることで国内旅行やショッピング、食事などレジャー関連の需要を喚起できることである。

 効果はあった。「黄金週」のおかげで、小売やサービス業などでは従業員を休ませねばならない日数が増え、シフトを組むために多く人を雇わねばならなくなった。祝日出勤を命ずれば、中国の法律では300%の割増賃金を支給しなければならない。こういう話は法律通りにやらないと訴えられてしまう可能性があるので、経営者にとっては結構な負担なのである。

 もう一方の余暇需要喚起の方も、政府のもくろみ以上に爆発している。連休ともなれば上海の目抜き通りやショッピングセンターは文字通り人の海である。郊外の観光地もマイカーが増えたおかげで道路は渋滞するわ駐車場は足りないわで混乱している。新聞報道によると上海では観光バスそのものが足りず、旅行会社は役所や一般企業の通勤バスを借り出してくる事態になっているそうだ。

 長距離の列車や飛行機の混雑は言わずもがなだ。中国は国が広く、人々が乗り物を占有する時間がどうしても長くなる。例えば東京~大阪間の距離は500kmほどだが、中国の2大都市、北京~上海間は1300kmもある。そして、人の数は日本の10倍だ。

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