有力新興国としてライバル関係にある中国とインドは、ともに軍事力を強化していますが、宇宙開発の分野においても熾烈な競争を繰り広げています。
まず、中国の宇宙開発の動向から見ていきましょう。中国の宇宙開発の歴史は1956年に幕を開けました。2003年10月15日、中国は初めての有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げに成功します。ソビエト(ロシア)、米国に続いて中国が世界3番目の有人宇宙飛行達成国となったわけです。また2005年10月12日には、2度目となる有人宇宙船「神舟6号」の打ち上げにも成功しています。
「中国版アポロ計画」も進行中
2回の有人宇宙飛行の成功は、中国の国力、科学技術水準の高さを世界に示す絶好の機会となりました。国内のメディアは打ち上げの成功を大きく取り上げ、こぞって中国の国威をアピール、新聞の号外も多数発行されました。ちなみに「神舟」は旧ソ連の技術を参考にして開発された中国国産のロケットで、名づけ親は江沢民氏です。
「神舟6号」の成功で宇宙開発への自信を深めた中国は、早くも「神舟7号」の打ち上げプロジェクトを立ち上げています。「神舟7号」は2007年から2008年の間に打ち上げられる予定です。このプロジェクトでは、3人の飛行士が搭乗し、宇宙遊泳に挑みます。「神舟8号」以降の打ち上げ予定の詳細はまだ明らかになっていませんが、8号を打ち上げた後は、ほぼ1カ月の間隔で9号、10号を打ち上げて宇宙開発を加速させる方針です。
さらに、中国は月への着陸や大型宇宙ステーションの建設、火星探査機の打ち上げなど壮大な宇宙開発計画を視野に入れています。これらの計画はいずれも宇宙大国ロシアと全面協力しながら進めていく予定です。中国の月面探査計画は、「嫦娥(じょうが)計画」(嫦娥は月の別称)と呼ばれ、ロシアの技術支援を受けながら、2020年までに有人宇宙船による月面着陸を目指します。
月面探査計画では、米国と中ロの熾烈な争いが展開されることが見込まれます。中ロが協力することで、これまでの米国優位の宇宙開発の構図が大きく塗り替えられる可能性が高いと言えるでしょう。
また、宇宙開発をきっかけに中ロの軍事協力関係も強化されるとみられ、米国と中ロの緊張関係が高まる恐れもあります。
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