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中国の30代は、平均2年で転職する

若い世代の「焦燥感」が一因に

  • 田中 信彦

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2006年6月7日(水)

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 上海市の30歳以下の若者の平均勤続年数は約1年半、31~40歳でも2年3カ月ほどしかないことが上海市の調査で分かった。転職(転社?)の激しさは以前から実感してはいたが、ここまで急激に事態が進行してくると、投資サイドとしては極めて頭の痛い問題と言わざるを得ない。

 この調査は上海市労働社会保障局が今年3月、市のデータベース95万人分の記録を基に行い、公表した。中国の都市部の企業は社会保険などの費用を源泉徴収しており、国民はすべて統一の身分証明書番号で管理されているので、誰がいつ、どこの企業に転職したかは確実に把握できる。このデータはかなり正確なものと考えていい。

日本の30代前半は8.6年

 それによれば、平均勤続年数は全体で3年10.4カ月。年齢別に見ると30歳以下が1年5.5カ月、31~40歳が2年3カ月、41~50歳が6年9カ月、51歳以上が10年0カ月となっている。

 日本はどうか。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2003年)によれば、20~24歳が男性2.5年、女性2.3年、25~29歳が男性5.2年、女性4.9年、30~34歳で男性8.6年、女性8.0年、35~39歳が男性12.0年、女性9.8年。40歳以降、女性の勤続年数は伸び悩むが、男性は60歳まで5歳当たりほぼ3年ずつ勤続年数が伸びていく。

 こうしてみると、20代はさておき、企業の主力となるべき30代でも勤続年数が2年少々しかないというのは、日本の感覚からするといかにも短い。

 なぜこのように勤続年数が極端に短くなるのだろうか。

 中国で転職が激しい理由は中国人の国民性や経済成長の速さ、「一人っ子政策」下の子供の「こらえ性のなさ」などで説明されることが多い。一般論としてその通りだと思うが、人事の現場での実感から私は加えて3つの重要な要因があると考えている。

 まず第1は、中国には新規設立や海外から新たに進出する企業が多いことである。既存企業は既に会社が回っているから、従来の予算枠や他の従業員とのバランスもあり、そうやたらと賃金を上げるわけにはいかない。

企業自体がどんどん生まれていることも背景だが…

 しかし新規設立の企業であれば、人が採れなければ会社を開きようがないし、いわば白紙に絵を描けばいいのだから比較的自由に条件を設定できる。そのため既存企業の人材が簡単に新規進出企業に移っていってしまう。これは外資や直接投資への依存度が高い中国の大きな特徴である。

 第2の理由は、企業内部の管理制度の不備である。日系を含む多くの外資系企業、中国の民営企業などすべてに共通することだが、中国の企業は総じて設立後の年数が浅く、人事の専門家も乏しいので、社内のキャリアステップや人材育成の制度が明確になっていないことが多い。言い方を変えれば、従業員に対して魅力的で説得力のある将来像を提示できていない。
 
 従業員にしてみれば、「今、何をしたら次にどうなって、将来どうなるのか」が見えにくいので、青く見える隣の芝生に簡単に目が移ってしまう。

 第3の要因は中国の若い世代に共通する一種の「焦燥感」である。

「世界鑑測 田中信彦「上海時報」」のバックナンバー

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