先月12日、中国のハイテク業界に衝撃を与えた一大スキャンダルに終止符が打たれた。理工系の名門、上海交通大学の陳進・元教授が設計した中国初の独自開発によるDSP(デジタル信号処理)チップ「漢芯一号」が、実際には機能を誇大に偽った“捏造品”であったという調査結果を、同大学が公表したのである。
信じられないほど安直でお粗末な捏造
このニュースは日本でも一部のマスコミが報じたので、既にご存知の読者もいらっしゃるだろう。
あらましはこうだ。2003年2月26日、陳氏は上海で記者会見を開き、「漢芯一号」の開発成功を発表した。この時の説明によれば、漢芯一号は0.18マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の微細加工技術で製造される最先端のDSPチップで、すべての知的財産権を中国が保有し、性能は海外の大手DSPメーカーのチップに引けを取らないとしていた。
記者会見には中国科学技術省の役人や半導体の専門家、上海市政府の高官などが同席し、陳氏が政府の強力な後押しを得ていることをアピールした。さらに、透明なアクリル板に埋め込まれた漢芯一号の半導体コアのサンプルや、試作品によるデジタル音楽の再生実演などを記者団に披露。陳氏は「漢芯一号は既に100万個を超えるオーダーを得ている。海外メーカーの独占市場に風穴を開ける」と、大見得を切った。
ところが今年1月、ネット上の書き込みを発端に漢芯一号の捏造疑惑が急浮上した。陳氏の元部下を名乗る匿名の告発者が、3年前の記者会見に使われたチップは実は米フリースケール・セミコンダクタ(当時は米モトローラの半導体部門)製のDSPチップだったと暴露したのだ。陳氏は数人の日雇い労働者を雇ってチップ表面の「MOTOROLA」の文字を紙やすりで削り取り、その上から「漢芯」と印刷して記者会見に持ち込んだという。
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