• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「オイルマネー」バブルは崩壊したのか 

  • 田中 保春

バックナンバー

2006年6月14日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 湾岸産油国の株式市場は、大幅な調整に直面しています。サウジアラビアの株価指数(TASI)は今年2月25日の史上最高値20.966.58ポイントから5月11日にはザラ場の最安値9.471.43ポイントまで、55%下落しましたが、その後は11.000ポイントを中心に一進一退を続けています。

 湾岸産油国の中では昨年秋頃からサウジアラビアを除くドバイ株式市場などの湾岸産油国の株価調整が始まったのですが、湾岸産油国最大の株式市場であるサウジアラビアでは、その後も上昇を続け、そして今年2月に史上最高値を迎えました。

 サウジアラビアの株価調整が最後になったのは、1:原油価格高騰を受け、石油化学をはじめ銀行などの主要銘柄の企業業績が好調だったこと、2:時価総額でも湾岸域内の株式市場全体の60%を占める最大の市場であったこと、3:国内の高い過剰流動性、さらには4:一部の投機筋の情報により特定銘柄が異常な値上がりを続けていたこと等が背景として挙げられます。

 しかし、ピーク時にはサウジアラビアの株式市場の平均PER(株価収益率)は40倍を大きく超え、世界のエマージングマーケット平均である15倍からしても明らかな割高でした。

 サウジアラビアの中央銀行であるサウジアラビア通貨庁(SAMA)も個人投資家による投機的売買の予防的措置として、市中銀行による個人融資規制を実施し、リスク回避に向かいましたが、結局、3月以降株式市場は大きく下落し、5月にはサウジアラビア資本市場庁長官の突然の交代という事態にまで発展しました。最高経済評議会の事務局長と兼任になった新長官は、国際通貨基金(IMF)との強いパイプがあることが知られています。

IMF専務理事も「湾岸バブル警告」

 実は、昨年10月18日にジッダで開催された国際通貨基金と湾岸産油国の蔵相及び中央銀行総裁との会議でIMF9代目の専務理事ロドリゴ・デ・ラト氏は次のような講演をし、一部の湾岸産油国の株式バブルに警告を発していました。

 「湾岸諸国の銀行の株式市場に対するエクスポージャーは非常に限定されており、金融当局も直接及び間接的な銀行のエクスポージャーに対する規制を強化しているが、いくつかの株式市場はファンダメンタルを超えた株価上昇となっている。株式指数のさらなる上昇はリスクを伴い、中央銀行や当局による監視が正当である」 (参照)

 この講演を受け、ドバイなど近隣諸国の株式市場は調整が始まりました。
こうした中、5月17日に国際格付け機関である米ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、湾岸産油国の銀行業界の構造上のリスクが拡大しているという趣旨の特別コメントを出したもようです。(参照)

 ニュースによると、湾岸産油国の市中銀行の法人や個人向けの銀行貸出が株式市場に向かっており、株価下落によるリスクが高まっているという内容ですが、このニュースは湾岸産油国のメディアでもすぐに流れました。(参照)確固たるデータはないものの、株価下落の間接的影響が今後の銀行収益に悪影響を及ぼすという内容です。

コメント0

「世界鑑測 田中保春の「サウジ・新潮流」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人々が働きたいという会社になるには 「働きやすさ」と「働きがい」、この2つが必要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長