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CIA人事で分かった 米国の「対外政策」の変化

2006年6月15日(木)

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 5月26日、米国議会はブッシュ大統領が新しい中央情報局(CIA)の長官に指名していたマイケル・ヘイデン空軍大将を賛成多数で承認し、米情報帝国の新しい頭首が決まった。
 
 米マスコミはヘイデン氏の資質や問題点などを様々な角度から取り上げて報じたが、この長官人事とともに密かにマスコミの注目を集めたのが、CIA副長官の人事だった。ブッシュ政権は先月ヘイデン長官任命の発表をした際、「副長官としてある人物を呼び戻す」と発表。この「ある人物」とは、2004年末までCIAの工作部長をつとめたスティーブ・カップスという人物であった。

 このCIA人事は今後のブッシュ政権の対外政策を見るうえで極めて重要である。なぜならチェイニー・ネオコン連合による強硬派と、ライス長官率いる国務省の国際協調派の熾烈な政策闘争の中で、CIAがその勢力バランスに大きな影響を与える可能性が出てきたからである。

CIAに残る被害者意識

 今回のCIA長官および副長官の人事は一体何を意味しているのだろうか。そもそもわずか18カ月でCIA長官を去ることになった前任者のポーター・ゴスが、2004年8月にCIA長官に任命されたのはなぜだったのだろうか。



 日本ではあまり知られていないが、CIAには、「イラクや911テロに関する情報面における失敗の全責任を不当に押しつけられた」との思いが強く残っている。というのも、CIAはクリントン政権以来、アルカイダの脅威について繰り返し警告してきた経緯があるし、イラクの大量破壊兵器の脅威についても、アメリカの情報コミュニティの中では最も慎重な助言を出していた。

 戦後イラクで米軍がテロ・ゲリラ攻撃に苦しめられる危険性についても、CIAはいち早く正確な分析をしていた。

 これに対して、イラクの大量破壊兵器の脅威やアルカイダとフセイン政権の関係、戦後イラクに関する楽観的な見通しなど、CIAが疑問視する情報を重要視して大統領に誤った助言をしたのは、チェイニー副大統領とラムズフェルド国防長官等の一派だった。彼らはCIAに対抗する目的で国防総省内に特別計画室という情報機関を設置し、情報を彼らの政治意図に都合のいいように解釈していたのである。

 このような「情報」を巡る激しいライバル関係を背景に、2004年の大統領選直前にいわゆる「CIAの反乱」が起きた。同選挙の前、CIAの現職高官が対テロ戦争に関してブッシュ政権を批判する本を出版したり、ブッシュ陣営に不利な材料をマスコミにリークするなど、チェイニー・ラムズフェルド派に牛耳られるブッシュ政権に反旗を翻したのである。

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「CIA人事で分かった 米国の「対外政策」の変化」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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