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中国人は「手先が器用」と思う罠

そろそろやめよう、この手の思考方法

  • 田中 信彦

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2006年7月12日(水)

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 この話は十数年間、あちこちで書いたり言ったりしてきているのだが、まだ同じことを言う人がいるので、また書く。「中国人は手先が器用」なのか? という話である。

 日本企業の中国進出の話をしていると、しばしば「中国の人って手先が器用なんでしょう?」という反応に出合う。日本人の間ではこの話は半ば定説になっているようだ。コンサルタントを自認する人々の中にも「中国人は手先が器用」であると著書や講演などで明言する人は少なくない。

 どうもこの言い方に違和感がある。

ベトナム人も器用、米国人は不器用?

 私は昭和34年の生まれで、日本の高度成長末期に物心ついたが、よく大人から「日本人は手先が器用」だとの話を聞いた。タイに赴任している日系メーカーの人にインタビューしたら、「いやあタイの人は手先が器用でねえ」と言っていた。ベトナムに関心のある人は「ベトナム人は手先が器用で、日本人以上だ」などと自慢する。

 世界に手先が器用でない人はいないのかと訝(いぶか)っていたら、米国の日系製造業の人が「アメリカ人は手先が不器用で、箸にも棒にもかかりませんわ」と嘆いていた。

 素人の茶飲み話ならどうでもいいようなことだが、まともに海外事業に取り組んでいるビジネスパーソンまでが真面目な顔でこの種の話をしているのを見ると、いささか不安になってくる。手先の器用さは民族で決まるものなのだろうか?

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