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万里の長城は月から見えるか?

思い込みの罠はまだまだ残る

  • 田中 信彦

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2006年7月26日(水)

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 前々回のこの欄で「中国人は『手先が器用』と思う罠」という原稿を書いたら、筆者の周囲で思いのほか大きな反響があった。「深く考えたことがなかったが、言われてみればその通りだ」という反応がほとんどで、思い込み症状が意外と重いことが察せられる。そこで、日本人の対中国思考停止を象徴する話題をもうひとつ。「万里の長城は月から見える唯一の建造物」というお話である。

インパクトがある、便利な「決まり文句」

 このフレーズ、どこかで読んだり聞いたりされたことのある方は少なくないと思う。手元に記録を残していないのだが、かなり高名なジャーナリストや小説家の方などがこの文句を書いておられるのを読んだ記憶がある。試しに「Google」で「万里の長城 月から見える」で検索してみたら、373件がヒットした。ネット上での用例は旅行会社の宣伝文句や個人の旅行記が多い。確かに旅行会社なら話は大きいほど面白いから、この手の文句が氾濫するのも分からなくはない。

 で、皆さんに改めて考えてみていただきたいのだが、本当に「万里の長城は月から見える唯一の建造物」なのだろうか?

 まともに考えればすぐに分かることだと思うので、先に答えを言ってしまうが、これは真っ赤なウソである。

 万里の長城は確かに壮大な建築物である。いらしたことがある方はご存じと思うが、峨々たる山容に見渡す限り延々と大蛇のようにうねる姿はまさに悠久の歴史を感じさせ、一見の価値がある。人類史上に残る超一級の歴史遺産であることは間違いない。

それならアレだって見えるはず!

 しかし冷静に考えてみれば、万里の長城は最も立派なところでも高さ10メートル、幅6メートルほどのレンガ積みの壁にすぎない。これがもし月から見えるなら、どうして成田空港の滑走路は見えないのか。万里の長城の長さは数千キロと言われるが、長いから見えるというものでもあるまい。

 実はこの話は、中国国内でもかつてメディアで真剣に議論されたことがある。同工異曲の記述が、小学校の教科書に掲載されたのだ。

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