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建設中の巨大テーマパークが“廃虚”に

中国版オランダ村 「億万長者が夢の跡」

2006年8月4日(金)

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 楊斌(ようひん)という人物を覚えておられるだろうか。

 楊斌は米国の経済誌「フォーブス」の2001年中国長者番付で第2位(資産9億ドル)にランクされた億万長者であったが、その名を一躍有名にしたのは、2002年9月に北朝鮮政府から新義州特別行政区の長官に任命されたことであった。

 新義州は中国との国境に位置し、中国遼寧省の丹東市と中朝友誼橋でつながる要衝である。北朝鮮は新義州を特別行政区として自由貿易区の設立を計画、その初代長官に任命されたのが、オランダ国籍を持ち、2002年2月に金正日の義理の息子となった中国人の楊斌であった。

 ところが、この任命から1カ月後の2002年10月、楊斌は中国当局により詐欺、贈賄、農地の違法占用などの容疑で逮捕された。

中国NO.2の億万長者から一転、懲役18年の罪に

 その背景には、北朝鮮による長官任命が新義州「自由貿易区」設立に反対していた中国政府の逆鱗に触れたのだとも言われているが、実態はよく分からない。2003年7月、遼寧省瀋陽市中級人民裁判所は楊斌に対して、懲役18年と罰金230万元(約3400万円)の判決を下し、9月に結審した。その後、彼は瀋陽市の郊外にある瀋陽市第1刑務所に収監されて、既に丸3年の歳月を囚人として過ごしている。(最近得た情報によれば、楊斌は今年5月に同じ遼寧省内の錦州刑務所へ移送されている由)

 6月末から7月初旬にかけて、筆者は中国の東北三省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)へ業務出張したが、瀋陽市で楊斌が同市北西部に建設していた中国版オランダ村の現状を視察してきた。

 中国版オランダ村とは、楊斌がオランダのアムステルダムにある同名のテーマパークを模倣して1998年に建設を開始した「テーマパーク、住宅、温室による園芸農業」を一体化した複合事業である。

スケールの大きな中国版オランダ村

 最終的な事業の全体像は220万平方メートル、東京ドームの70個分もの広大な敷地に、長崎のハウステンボスのようなテーマパーク、4万平方メートルの温室、33棟の高級マンション、33棟の一般マンション、180棟の高級一戸建て住宅を建設するもので、住宅部分の総面積は57万平方メートルにも及ぶ壮大なスケールである。

 楊斌の逮捕前に、テーマパークと温室のほかに住宅の第1期分(合計面積32万平方メートル)が完成していたようだ。

 さて、オランダ村について語るには、楊斌の波乱に満ちた人生を説明する必要がある。

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「建設中の巨大テーマパークが“廃虚”に」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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