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「日本でテロが起きる」のは時間の問題

国際テロネットワークにうち勝つ術はどこに

2006年8月17日(木)

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 国際テロと聞くと、日本では「中東諸国やイスラム教徒の多い一部の欧州諸国に限られている」と考える人が大半ではないだろうか。また米国やイギリスなど対テロ戦争の前面に立っている国々がイスラム過激主義者の恨みを買い、テロの対象になっていると考えている人が多いだろう。

 では、米国の外交政策には批判的な立場をとり、イスラム諸国に対しても穏健な政策をとっているカナダで、アルカイダのテロリストがテロを計画し、カナダ治安当局に逮捕されたという事実を、我々はどう受け止めるべきだろうか。

 去る6月2日、カナダの警察当局は、12人の成人と5人の未成年の少年を、アルカイダと関連するテロ攻撃を企てた容疑で逮捕した。この17人は大量の硝酸アンモニウムを用いた爆薬を使ったテロを計画しており、3トンの硝酸アンモニウムの肥料を入手しようとしたところを当局に押さえられた。このグループはトロントの北15キロの田舎に訓練キャンプを持ち、射撃訓練などを行っていた。

国際的な対テロ協力の成果

 今回、カナダ治安当局が、テロを未然に防ぐことができたのは、英米や北欧の治安機関と緊密な情報協力をしていたからだ、と情報筋は言う。米国は「Nothern Exposure」作戦、イギリスは「Mazhar」作戦と呼ばれる対テロ作戦を展開しており、米国やイギリスにおけるテロ容疑者の逮捕が、今回のカナダにおけるテロリスト逮捕に直接つながったと言う。

 米FBIは、アルカイダのメンバーであるEhsanul SadequeeとSyed Ahmedが米国で逮捕されたことが、今回のカナダにおけるテロリスト逮捕につながったことを公に認めており、6月2日にイギリスのマンチェスター空港でAbid Khanがパキスタンから帰国したところを逮捕されたのも、SadequeeやAhmedの米国での逮捕と連動した動きだという。というのもこの3人はカナダでテログループの人間たちと会い、イギリスやカナダの若者にパキスタンで軍事訓練を受けさせる計画を立てていたことが分かっているのである。

 日本では報じられていないが、イギリスではこの6月に4件の大掛かりなテロリストの逮捕が行われており、これも米英カナダの対テロ作戦と連携した一連の逮捕劇だと考えられている。

 実は米国、イギリス、カナダ、デンマーク、スウェーデン、ボスニア、バングラディッシュは治安・情報機関による国際的な対テロ協力網を築いている。カナダ政府はこの国際対テロネットワークから得た情報を下に、トロント近辺のイスラム・コミュニティに対して、「OSAGE」作戦と呼ばれる大規模な偵察監視作戦を行っていた。この結果、上述したテログループの逮捕につながったのである。

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「「日本でテロが起きる」のは時間の問題」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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