「田原真司の「中国経済斜め読み」」

iPodが露わにした、グローバル時代の労働問題

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2006年8月28日(月)

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 8月18日のこと、いつものように新聞社のウェブサイトの見出しを斜め読みしていたら、あるニュースが目に留まった。米アップルコンピュータが、同社の携帯型音楽プレーヤー「iPod」の製造を委託している中国の工場を調査した結果、過剰労働が認められたため、改善を求めたというものだ(アップルの公式発表はこちら)。

iPodの工場に英紙記者が潜入

 何事かと思って調べてみると、いろいろと深く考えさせられる“事件”であることが見えてきた。

 発端は6月11日、英国の新聞「The Mail on Sunday」が掲載した記事である。アップルからの委託でiPodを実際に製造している富士康科技(フォックスコン)の中国工場に、同紙の記者が潜入取材を敢行。ワーカーは1日15時間働いても最低賃金以下の月給27ポンド(約6000円)しかもらえず、しばしば残業を強要されていると報じたのだ(英紙の記事はこちらこちら)。

 このニュースは、インターネットを通じて瞬く間に世界中に伝えられた。ブランドイメージが傷つくのを恐れたアップルは、直ちに調査チームを中国に派遣。このほどその結果を公表したのである。

中国工場に改善を求めたアップル

 それによると、英紙が報じた最低賃金以下の月給や残業強要などの事実はなかったという。しかし、ワーカーの労働時間はアップルの社内基準(週60時間以下)を35%上回り、週6日以上連続で働いているワーカーが25%に上った。アップルは、富士康(アップルの発表では社名は伏せられている)に対して改善計画の立案と実行を求め、改善されない場合は委託契約を打ち切ると表明した。

 さて、英紙の報道とアップルの調査結果をどのように考えるべきか。

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このコラムについて

田原真司の「中国経済斜め読み」

このコラムはニューヨーク、ロンドン、サンノゼ、香港、北京にある日経BP社の支局と協力しながら、米国や欧州はもちろんのこと、世界経済の成長点とも言えるブラジルやロシア、インド、中国のいわゆるBRICs、エネルギーや国際政治の鍵を握る中近東の情報を追っていきます。記者だけではなく、海外の主要都市で活躍しているエコノミスト、アナリストの方々にも「見て、聞いて、考えた」原稿を提供してもらいます。

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