• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「辞職するなら賠償金9000万円」
頻発するパイロットの離職トラブル

  • 田中 信彦

バックナンバー

2006年10月4日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 中国でも憧れの職業のひとつである有名民間航空会社のパイロット7人が、辞職を求めて本社前でハンストを決行するという前代未聞の事件が今年6月、上海で起こった。この一件に限らず、中国各地でこのところパイロットの辞職を巡る紛争が相次いでいる。中国社会のエリートであるパイロットたちの世界にいったい何が起こっているのか。

 「絶食事件」が起きたのは今年6月15日。中国の代表的な国有民間航空会社(妙な言い方だが)のひとつ、中国東方航空のパイロット7人が、上海市内の本社前に座り込み、絶食を宣言して無言の抗議を始めた。

会社側から9000万円の賠償金請求

 報道等によるとその経緯はこうだ。パイロットたちは数カ月前から辞職を希望、会社との話し合いを続けてきた。しかし操縦士の養成には多額の時間と経費がかかるのに加え、中国では航空需要の急増で深刻なパイロット不足が続いている。そのため会社は機長クラスで600万元(約9000万円)、副操縦士クラスで307万元(約4600万円)という中国としては天文学的な額の「賠償金」をパイロットらに請求した。パイロットたちは当然払えるはずがなく、辞めることができない。会社のトップとの面会も拒絶され、やむなくハンストに至ったのだという。

 ではなぜ彼らは辞職を希望したのか。そこには中国の経済成長にともなう航空業界の大激変がある。

 中国の航空業界はかつて国営企業1社の独占だったが、改革開放政策で分割再編が進み、現在の大手3社を中心とする体制になった。3社とは北京拠点の中国国際航空、上海拠点の中国東方航空、広州拠点の中国南方航空である。

 これら3社は分割されたとはいえ国有企業だが、中国政府はさらなる改革を進めるため、完全に民営の航空会社の設立を奨励するスタンスをとっている。その政策に沿って2005年7月には民営ローコスト航空会社「春秋航空」などが営業を開始し、新たな競争が始まっている。

新興会社は倍の給与でパイロットを誘う

 こうした新興航空会社にとってパイロットの確保は大きな課題だ。新たに人を集めようと思えば、競合他社より魅力的な勤務条件を提示するのが当然で、これら民間航空会社は大手3社より待遇がよい。大手3社の機長は月収3万元(約45万円)程度だが、民間航空会社では5万元(約75万円)程度になるという。

 当然、移籍希望者が出てくる。当初は黙認していた大手だが、その流れの拡大は放置できず、巨額の「賠償金」請求という措置に出ることになったというわけだ。

 しかしパイロットたちが不満を募らせているのは、単に賃金水準の問題だけではない。

コメント0

「世界鑑測 田中信彦「上海時報」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授