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独リニア事故と
上海市書記の解任の間にあるもの

  • 田中 信彦

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2006年9月27日(水)

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 悪いことは重なるものだ。上海の金看板のひとつであるリニアモーターカー、その惨事が、本家のドイツで発生した。上海でも8月、走行中の車両が突然火を噴くという事故が起きたばかり。乗客数の低迷は相変わらずで、鳴り物入りでスタートした上海リニアは前途多難の様相をますます濃くしてきた。

リニアへの信頼が大きく揺らぐ

 ドイツのリニアモーターカーの大事故は日本でも詳しく報道されているから、よくご存じのことと思う。原因は運行管制センターが適切な指示を怠った人為的ミスとされているが、最先端のシステムを誇るはずのリニアがかくも単純な原因で大惨事を起こすという事実に、中国政府や市民の受けた衝撃は大きい。

 中国国内のメディアはドイツでの事故を詳細に伝え、同時に「この種の事故は上海では起こり得ない」と再三強調している。たとえば、中国国営通信社、新華社ネット版は「中国は正式な商業運転なので、線路上に異物を感知すると自動的に運行を停止する装置が付いている。ドイツは試験線のためこの装置がなかった」と指摘、上海リニアは安全だとしている。

 しかし同時に「リニアは車輪がないため、電磁系統にトラブルが生じた場合、車両が軌道にへばりついてしまい、修理が難しい。普通の列車のように簡単に引っ張ってくるというわけにはいかない」などとリニアモーターカー自身の構造的な問題を指摘、「現在、専門家グループが安全基準と万一の際の救援方法の検討を始めている」と伝えている。

バッテリー故障?で火を噴く

 この惨事に先立つこと約1カ月半、上海のリニアが走行中に火を噴いたのは8月11日のことだ。幸い人的被害はなかったものの、上海の誇る金看板が煙を出して立ち往生する様子が世界に伝えられ、市当局のプライドが傷ついたことは間違いない。事故原因は「バッテリーの故障」と伝えられているが、詳細は明らかになっていない。

 これ以前にも上海のリニアは細かな技術的トラブルが頻発、営業成績の不振と相まって関係者の苛立ちが高まっていた。先頃は一種の団体割引の導入で運賃を片道30元(日本円約420円)と試験運転開始時の5分の1にまで値下げする措置を発表、営業面の課題も深刻化している。

 そこへ営業運転中の火災という重大事故の発生で、内部には「ドイツからの技術供与を見直すべきだ」との意見が広まっていると地元メディアは伝えていた。まさに泣きっ面に蜂というか、そんな状態に追い打ちをかけたのが今回のドイツでの大惨事だったのである。

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