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日本の農業を、中国で鍛える?!

アサヒビールら3社が「日の丸」農業法人を立ち上げた狙い

  • 田原 真司

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2006年10月4日(水)

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 中国大陸から東シナ海に角のように突き出た山東半島。そのほぼ中央に位置する莱陽市は、ナシやリンゴなどの果物や野菜の栽培が盛んな農業の町だ。

 今年5月、ここにちょっと変わった日系企業が誕生した。アサヒビール、伊藤忠商事、住友化学の3社が共同出資して設立した農業法人「山東朝日緑源農業高新技術」である。

日本の最先端の農業技術を導入

 同社は市内の農地100ヘクタール(現時点では77ヘクタール)を借り上げ、スイートコーン、イチゴ、レタスなどの栽培や酪農を手がける。農薬や化学肥料を極力使わずに作物を育て、スイートコーンの茎などは乳牛のエサに、そこから出る牛糞は堆肥にして野菜畑に戻すなど、土の力を維持する循環型農法の確立を目指している。そのために、日本の最先端の農業技術とノウハウを導入する。

 収穫した作物や牛乳は、低温物流で鮮度を保ったまま北京や青島など中国国内の大都市に輸送する。店頭価格は普通の農産物の数倍になるが、安さよりも安全性・安心感を重視する富裕層向けに「高級ブランド農産物」として売り込む計画だ。第1弾として、試験栽培した生でも食べられる品種のスイートコーンに「水果玉米(くだものみたいなトウモロコシ)」というブランド名をつけ、既に出荷を開始した。

 「ただ単に農産物を生産するだけではなく、販路開拓や物流まで自社で一貫して手がける“フードシステム”を構築し、付加価値を高める」と、朝日緑源の乾祐哉・総経理は意気込む。

 と、ここまでだけを見れば、中国の消費者の購買力向上を当て込んだニュービジネスのように思える。ところが収支計画を聞くと、アサヒらの3社は、どうも大きな商機を期待して投資したわけではなさそうなのだ。

営利事業というより社会貢献活動

 朝日緑源は2011年の単年度黒字化、2013年に売上高7億5000万円という目標を掲げている。資本金が15億円であることを考えれば、初期投資を回収できるのは相当先の話だ。一方、資本金の73%を出資するアサヒの昨年12月期の連結売上高は1兆4300億円。朝日緑源が仮に目論見通りに事業を軌道に乗せても、グループの業績への貢献は微々たるものに過ぎない。

 新規事業としてそれほど儲かる見込みがないのに、なぜ投資を決断したのか。3社の発表資料によれば、朝日緑源は「中国における食生活の向上に貢献する新たな農業経営モデルを示し(中略)中国農業の課題解決の一助となる」ことを目指しているという。

 つまり、同社設立の目的は純粋な利益の追求ではない。

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