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官僚が食べ尽くす? 中国の年金基金

迫る超高齢化社会、庶民の手には雀の涙

2006年10月20日(金)

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社会保障基金
社会保障基金

 2006年7月24日、上海の謎の富豪と言われる福禧投資控股公司董事局主席の張栄坤が、上海社会保障基金から32億元(約480億円)の違法融資を受けたとして、関係当局の取り調べを受けていることが判明した。

 張栄坤は1973年江蘇省蘇州市生まれの33才、上海市の主要高速道路の営業権を複数獲得したことから「高速道路王」(中国語:「公路大王」)と呼ばれ、米誌「フォーブス」の2005年「中国富豪番付」では、資産49億元(約735億円)で第16位にランクされた。この張栄坤に対する取り調べを解明の糸口として上海汚職事件の捜査は進められた。

32億元の流用疑惑

 8月9日には、上海市労働社会保障局局長の祝均一並びに同局社会保障基金監督管理処処長の陸祺偉が、32億元の社会保障基金の流用疑惑で取り調べを受けていることが判明。これに関連して、8月9日同日、張栄坤が副董事長兼役員を務める上海電気集団の執行役員で副総裁の韓国璋が取り調べで拘留、8月15日には、親会社である上海電気(集団)総公司の董事長である王成明が取り調べで拘留されたことが判明した。

 8月24日には、陳良宇の元秘書の上海市宝山区党委員会副書記で宝山区長の秦裕も取り調べのため拘留され、翌25日には本件に関して中国共産党中央紀律委員会が100人規模の調査団を上海市へ派遣し、調査団は駐留する形で上海市にはびこる汚職の全貌を解明すべく調査を進めていることが報じられた。こうした流れの中で調査団による執拗な調査が進み、9月24日に上海市トップである陳良宇に対する中国共産党上海市委員会書記の免職及び党中央政治局委員の職務停止の処分に到ったのである。

上海の人気番組が突如打ち切り

 香港中文大学に郎咸平という経済学教授がいる。郎教授は中国の経済事情を厳しく分析することで知られ、2004年に上海有線テレビで「財経郎閑評」(郎の財経暇つぶし評論)という番組を開始、視聴率は常に3位に入るほどの好評を博していた。2005年2月、郎教授は、この番組の中で上海社会保障基金に言及し、「社会保障基金は庶民の命をつなぐ大事なものであり、これを他に流用することは許されない。今、上海では巨額の基金が流用されており、その黒幕は上海市トップの陳良宇である」と言明した。

 この結果、この番組は翌週から閉鎖となり今に到っているが、当時テレビ局は、「郎教授の中国語が標準語でないので番組を終わらせることにした」と釈明したという。

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「官僚が食べ尽くす? 中国の年金基金」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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