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貧困削減に貢献するバングラデシュのグラミン銀行

  • 門倉 貴史

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2006年10月30日(月)

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 2006年10月13日、ノルウェーのノーベル賞委員会は、2006年のノーベル平和賞をバングラデシュのグラミン銀行と創設者のムハマド・ユヌス総裁に授与することを発表しました。アジアからのノーベル平和賞の受賞は、2000年の金大中韓国大統領(当時)以来の快挙です。

 そこで今回は、バングラデシュ経済の現状とグラミン銀行について詳しく見ていきたいと思います。

バングラデシュ経済とグラミン銀行

 まず、バングラデシュ誕生の経緯ですが、1971年、東パキスタンの独立要求を契機として第3次印パ戦争が勃発しました。インドが東パキスタンを支援してこの独立戦争に介入、戦争はインドの圧勝に終わります。この戦争の結果、東パキスタンはバングラデシュとして71年12月に正式に独立しました。

 独立当初のバングラデシュは、政情が不安定なうえ基本的なインフラも不足していたことから、経済は停滞色を強め、貧困などの問題が深刻化していました。

 90年以降、民主主義が浸透するようになると、徐々にインドやパキスタンなど近隣諸国との貿易も盛んになり、それに伴い経済成長率が高まるようになりました。近隣のインドやパキスタン経済が高成長を続けているため、その恩恵を受けているという側面もあります。2005年は、サイクロンや洪水など自然災害の影響があった中でも、前年比5.8%増の成長を達成しました。

 バングラデシュの主要な産業は農業と繊維産業です。農業生産では米、ジュート、さとうきびなどが主要産物となっています。農業がGDP(国内総生産)に占めるウエイトは20%と非常に高く、天候要因によって経済成長が大きく左右される傾向があります。また、バングラデシュは石炭や天然ガスなどの天然資源にも恵まれています。特に天然ガスが豊富で、発見されている埋蔵量だけでも4400億立方メートルに達します(2005年末時点)。

 海外からの直接投資も増加傾向にあり、最近ではインドのタタ財閥が、バングラデシュに製鉄所や発電所、化学薬品工場を建設するなど巨額の投資を行う方針を発表しました。バングラデシュは基本的に外資の出資制限を設けていないため、外国企業が進出しやすい状況となっています。

 バングラデシュ経済が抱える大きな問題の1つは、貧困層の増加です。バングラデシュでは人口が毎年2%増近くのハイスピードで増加しています。2005年の総人口は約1億4000万人ですが、2028年には2億人を突破する見通しです。

 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)においては、人口の増加は労働力の供給源となり、経済にとってプラスの要因として働いていますが、バングラデシュはマクロ経済の基盤が脆弱であるため、人口の増加が貧困層の増加を招く結果となっています。バングラデシュの1人当たりGDP(国内総生産)は2005年でわずか402.8ドルと日本の100分の1にすぎません。人口爆発を抑制しながら、マクロ経済のファンダメンタルズを強化することが政府にとっての喫緊の課題となっています。

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