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SK-II騒動、中国当局の「敗北宣言」

反日暴動の学習効果を生かせず

  • 田中 信彦

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2006年11月1日(水)

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 販売停止に追い込まれていたSK-IIの問題で中国当局が事実上の「安全宣言」を出した。P&Gの主張が全面的に裏づけられた形で、当局は誤りこそ認めていないものの、中国国内のメディアでも法律の運用や検査基準の曖昧さに批判的な論調が目立ち始めた。国際的な常識に照らして、当局の手法が不当なものであったことは明らかだ。

 この事件の展開を見ていると、どこかで見た構図であることに気づく。それは昨年春、北京や上海などで発生し、無益な破壊行為を行った末、いつの間にか収束した暴力的な反日運動と同じパターンなのである。

広東省の検疫局から始まった騒動

 今回のSK-II問題の経緯はご存じの方も多いと思う。今年9月、広東省の検疫局で、P&G傘下のマックスファクターが日本で生産し、中国はじめ各国で販売しているSK-II製品から中国の法律で含有されてはならないとされているクロムとネオジムが検出され、中国政府当局が検疫を強化するよう指示したことが発端だ。

 その後、返品・返金を求める消費者が販売コーナーなどに押し寄せ、P&Gの上海支社入り口のガラスドアが壊されるなどのトラブルに発展した。

 P&Gは指摘された物質について「配合はしておらず、もともと自然界に微量に含まれるものが混入した可能性はあるが、安全性に問題はない」との姿勢を堅持。この態度が「傲慢だ」などと報道され、世論がさらに感情的になるという悪循環に陥った。

 また日本側では、日本政府が今年5月末、食品の残留農薬規制を強化、中国農産物の対日輸出が減少したことに対する報復措置ではないかとの見方が広まった。

振り上げた拳をどう下ろす?

 しかしほどなく、海外でも「日本製品狙い撃ちではないか」といった批判が高まってきたことに加え、SK-IIの安全性は欧米諸国では疑問視されておらず、シンガポールや韓国、台湾、はては“身内”のはずの香港政庁もが相次いで「安全宣言」を出したことなどで風向きが変わってきた。P&G本社も水面下で中国政府に猛烈な働きかけを行った模様だ。

 そして上海支社「襲撃」事件からほぼ1カ月経った時点で、当局が「安全宣言」を出したことになる。

 今回の「安全宣言」の文面を見ると、振り上げた拳をいかに下ろすかという中国当局の苦心が読み取れる。

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