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「調和ある社会」で中国消費に変調の予感
“汚職需要”が剥げ落ちると何が残る?

  • 谷口徹也

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2006年11月9日(木)

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 上海市トップ、陳良宇共産党委書記の解任を皮切りに、中国で高級幹部の汚職摘発が相次いでいる。関連して、上海市では既に局長、区長クラスの幹部が30人近く拘束されていると報じられた。

 陳書記は成長路線一辺倒だった江沢民前国家主席につながる「上海閥」のエースの1人だった。「調和ある社会」を唱える胡錦涛国家主席は、改革の“抵抗勢力”だった上海閥を汚職問題で追い落とし、権力基盤を一気呵成に固めつつあるとの見方が有力だ。北京市副市長や安徽省副省長も解任されるなど、摘発は全国へと波及しており、近く北京市で大規模な高級幹部の人事異動があるとの噂も流れている。

中国の経済成長に貢献してきた「汚職マネー」

 権力闘争の行方はそれ自体大変興味深く、マスコミの報道もこの点に集中しているが、視点を変えるととても興味深いテーマがある。汚職摘発の動きが今後の中国の経済、とりわけ消費にどんな影響を与えるかだ。

 社会正義の観点では、汚職が減るのは好ましいことに違いない。だが中国の現実問題に照らすと、これまで経済や消費の拡大に果たした「汚職マネー」の役割はかなり大きかったと思うのだ。

 中国では昨年1年間で国家公務員や官僚による汚職事件が3万件以上立件されている。明らかになっているだけで政府機関による資金の不正流用も年間約4兆円もあり、まだ水面下に隠れている分を含めると汚職マネーはGDP(国内総生産)の約20%にも達しているという試算もある。

高額消費の裏には必ず不動産投機があった

 解任された上海市の陳書記は、社会保障基金から土地開発事業を営む民間業者に約480億円を不正に融資する見返りに賄賂を受け取っていた。このように最近の中国の汚職事件のほとんどには不動産が絡んでいると見てよい。不動産開発の許認可で便宜を図ってもらったり、農民からわずかな補償金で収用した土地を市場価格よりも安く入手させてもらったりして不動産業者が濡れ手に粟の利益を得て、便宜の見返りに政府高官らへ賄賂を渡すというパターンだ。

 不動産開発が汚職役人に連なる一部の実業家に許された打ち出の小槌だとすると、不動産の開発や売買によって利益を得た人たちも汚職の“恩恵”を受けていると見なすことができるだろう。

 これまで中国を取材してきた4年余りを振り返ると、沸き立つ高額消費の話題には必ずと言ってよいほど汚職または不動産投機の影を感じていた。「高い物から売れる有望な市場」といった景気の良い話で出てくる購入者の資金源をたどると、この2つに突き当たる確率が高いのである。いくつか例を挙げてみよう。

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