• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「調和ある社会」で中国消費に変調の予感
“汚職需要”が剥げ落ちると何が残る?

  • 谷口徹也

バックナンバー

2006年11月9日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 上海市トップ、陳良宇共産党委書記の解任を皮切りに、中国で高級幹部の汚職摘発が相次いでいる。関連して、上海市では既に局長、区長クラスの幹部が30人近く拘束されていると報じられた。

 陳書記は成長路線一辺倒だった江沢民前国家主席につながる「上海閥」のエースの1人だった。「調和ある社会」を唱える胡錦涛国家主席は、改革の“抵抗勢力”だった上海閥を汚職問題で追い落とし、権力基盤を一気呵成に固めつつあるとの見方が有力だ。北京市副市長や安徽省副省長も解任されるなど、摘発は全国へと波及しており、近く北京市で大規模な高級幹部の人事異動があるとの噂も流れている。

中国の経済成長に貢献してきた「汚職マネー」

 権力闘争の行方はそれ自体大変興味深く、マスコミの報道もこの点に集中しているが、視点を変えるととても興味深いテーマがある。汚職摘発の動きが今後の中国の経済、とりわけ消費にどんな影響を与えるかだ。

 社会正義の観点では、汚職が減るのは好ましいことに違いない。だが中国の現実問題に照らすと、これまで経済や消費の拡大に果たした「汚職マネー」の役割はかなり大きかったと思うのだ。

 中国では昨年1年間で国家公務員や官僚による汚職事件が3万件以上立件されている。明らかになっているだけで政府機関による資金の不正流用も年間約4兆円もあり、まだ水面下に隠れている分を含めると汚職マネーはGDP(国内総生産)の約20%にも達しているという試算もある。

高額消費の裏には必ず不動産投機があった

 解任された上海市の陳書記は、社会保障基金から土地開発事業を営む民間業者に約480億円を不正に融資する見返りに賄賂を受け取っていた。このように最近の中国の汚職事件のほとんどには不動産が絡んでいると見てよい。不動産開発の許認可で便宜を図ってもらったり、農民からわずかな補償金で収用した土地を市場価格よりも安く入手させてもらったりして不動産業者が濡れ手に粟の利益を得て、便宜の見返りに政府高官らへ賄賂を渡すというパターンだ。

 不動産開発が汚職役人に連なる一部の実業家に許された打ち出の小槌だとすると、不動産の開発や売買によって利益を得た人たちも汚職の“恩恵”を受けていると見なすことができるだろう。

 これまで中国を取材してきた4年余りを振り返ると、沸き立つ高額消費の話題には必ずと言ってよいほど汚職または不動産投機の影を感じていた。「高い物から売れる有望な市場」といった景気の良い話で出てくる購入者の資金源をたどると、この2つに突き当たる確率が高いのである。いくつか例を挙げてみよう。

コメント9件コメント/レビュー

70年代末から欧米のグローバル企業が日本企業に先駆け中国に進出し、生産・販売・サービス拠点を設置し事業を拡大する中で政府要人或いは地方政府幹部との人脈を築くため、この悪しき習慣に逆らわず、とことん利用してきた事は事実です。この結果、特定分野では欧米メーカの仕様が標準仕様に認定され、例えば日系メーカが新規参入できない仕組みが作られていました。中にはやり手の日本人も居て、官庁の人脈を梃子に新規参入に成功したところもありますが、所轄の部門の幹部から、お宅に発注を変えると何か良い事があるよね、とおねだりをされたケースもあります。お金に加え、柔らかき白いものもおねだりされ、唖然としていました。但し日系企業の中でもTradingを手がける会社は欧米企業に伍してゴシゴシやってましたね。と言うことで、本論文は、言葉の飾りで事実を適切に表現できていないし、汚職も減らないし、例え減っても経済発展に変化は出ないと思います。市場にリスクがあっても事業チャンスが大きければ依然として海外からの投資が続きます。問題は何時、所得格差とバブルがはじけて経済が崩壊し統治体制に影響が出るかです。(2006/11/14)

「谷口徹也の「北緯22度通信」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

70年代末から欧米のグローバル企業が日本企業に先駆け中国に進出し、生産・販売・サービス拠点を設置し事業を拡大する中で政府要人或いは地方政府幹部との人脈を築くため、この悪しき習慣に逆らわず、とことん利用してきた事は事実です。この結果、特定分野では欧米メーカの仕様が標準仕様に認定され、例えば日系メーカが新規参入できない仕組みが作られていました。中にはやり手の日本人も居て、官庁の人脈を梃子に新規参入に成功したところもありますが、所轄の部門の幹部から、お宅に発注を変えると何か良い事があるよね、とおねだりをされたケースもあります。お金に加え、柔らかき白いものもおねだりされ、唖然としていました。但し日系企業の中でもTradingを手がける会社は欧米企業に伍してゴシゴシやってましたね。と言うことで、本論文は、言葉の飾りで事実を適切に表現できていないし、汚職も減らないし、例え減っても経済発展に変化は出ないと思います。市場にリスクがあっても事業チャンスが大きければ依然として海外からの投資が続きます。問題は何時、所得格差とバブルがはじけて経済が崩壊し統治体制に影響が出るかです。(2006/11/14)

「汚職マネー」の定義がはなはだ曖昧で、視点がぼやけている。賄賂を取っていた役人が贅沢品を買わなくなるという程度のことはありそうだが、そんな需要はたいしたことはなかろう。また役人の「お手盛り」と「汚職」は違う。そのへんの区別も筆者はしていないので議論がわかりにくくなっている。投資やら貿易やらで中国に大量のカネが入り、それが現に回っていることは事実で、汚職の摘発が厳しくなったといってもその「回り方」が少し変わるかどうかといった程度のことだろう。「汚職マネー」が中国経済の原動力であるかのごとき見方は現実的でない。(2006/11/09)

『逃げる』とは、物理的に場所―引越しや環境を変えると考えるヒトが多いと思います。子供に難しいかもしれないが、大人ならできることは心構えを変えることです。要するに会社のいじめなら、神経を太く気にしないふりにできれば、いじめる側もどうしょうもなくなるのでは?所詮、いじめがたんたんエスカレータしてくるのがいじめ側は面白く感じているからのではないかと思われる。言い換えれば、人間が求めるものがたくさんあり、それを如何に手に入れたくて、色々な工夫をしているからです。いくら工夫しても得られないなら、諦めるではないかと考えられます。自分経験を含めたコメントですが、私はこのようなやり方でいじめる相手(会社の上司)を退けました。このようなやり方は一種の『逃げ』ではないかと思います。(2006/11/09)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授