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原油産油国の統一通貨の誕生

日本の投資家は同じ間違いを起こすのか

  • 田中 保春

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2006年11月14日(火)

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 2010年に実施予定されている湾岸協力会議(GCC;Gulf Cooperation Council)に加盟している産油6カ国の通貨統合について、当地各紙は、アラブ首長国連邦(UAE)中央銀行のスウェイディ総裁の声明を報じている。内容は次の通り。

1.GCC各国首脳は、2010年予定の通貨統合に際するGCC中央銀行をUAE(アブダビ)に設立することで合意した。(その後場所に関しては未定に)

2.通貨統合当初は単一主要通貨とのペッグとなるだろうが、その後においては、GCCは2015年までに完全な変動通貨を確立するべきである。単一主要通貨に連動させることには今後意義が見いだせないであろう。

脱・ドル連動へ動き出す

 注目すべきは、GCC諸国を束ねるGCC中央銀行が置かれることになったアブダビの中央銀行総裁自らの声明で、統一通貨が将来的に変動相場制に移行する事が望ましいと明言されたことである。 

 今年6月には、オマーンのアンブリ副総裁も日本経済新聞に対し、「新通貨の相場がドル連動で決まるとは思えない」と語っており(6月30日付日経)、またクウェートのマンナエ副総裁もロイター通信に対して、「新通貨にはバスケット制を採用する可能性がある」と指摘している。タイミングは別にしても、GCCとしては米ドルペッグ(連動)政策を見直し中であると言える。 

 さらに今年4月にはUAEスウェイディ総裁が「外貨資産の10%をユーロにシフトする予定」と発言し、当地メディアがこれを大きく取り上げた経緯もある。

 GCC諸国の通貨はすべて米ドルペッグである。GCC6カ国の中で最後に米ドルペッグを採用したのはクウェートであるが、これは他の加盟国の米ドルペッグに対応したものであり、ドルペッグ以前には通貨バスケットを採用していた。この通貨バスケットが非常によく機能していたことは関係当局も認めており、今も通貨バスケットに対する願望があると言われている。また、クウェートは今年5月に自国通貨のクウェートディナールを対米ドルで1%切り上げている。 

 クウェート自国通貨の対米ドル切り上げを受け、サウジアラビアでも自国通貨のサウジリヤルが対米ドルで切り上げるのではないかと推測する声が高まったが、中央銀行であるサウジアラビア通貨庁(SAMA)のアル・サヤリ総裁はその可能性をきっぱりと否定した。

 最近もSAMAのアル・ジャーセル副総裁がロイター通信の質問に対して、「現行の為替固定レートは非常にうまく機能しており、インフレの心配もない。どうして切り上げる必要があるのか?」と切り上げを否定している。参考記事

原油にリンクした統一通貨は誕生するか 

 さて、現状では単一主要通貨は原油決済通貨が米ドルであることから、発足時のGCC統一通貨は米ドルになる可能性が高いと考えられる。しかし、重要な点はその先の変動為替制に移行する過程で、原油にリンクした新しいハードカレンシーの誕生があるかどうかである。 

「世界鑑測 田中保春の「サウジ・新潮流」」のバックナンバー

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