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中国3300万のブログと「反日」の関係

  • 田中 信彦

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2006年11月15日(水)

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 中国国内で開設されているブログの総数が3300万に達していることが明らかになった。中国ではネット上で政府や党によるさまざまな情報管理が行われていることはよく知られているが、その一方でこれだけの数の国民が自ら情報を発信し、対話しているという事実も見落とすべきではない。中国社会にも巨大な情報空間と、それにともなう「言論のマーケット」が生まれつつあり、社会の成熟化を強力に後押ししている。

ネットが生むのは反日感情爆発だけか?

この調査は「2006年中国ブログ(博客)調査報告」で、実施したのは中国インターネットの総元締めとも言うべき「中国互聯網絡信息中心(China Internet Network Information Center)」。中国でドメインの管理などを行っている半ば公的機関である。

それによると、2006年8月現在、中国のブログ総数は3374万7000で、ブロガーの数は1748万5000人。うち活発に活動しているサイトは約770万。読者のほうでは、ブログを読んだことがある人は約7500万人、日常的に読んでいる人は約5500万人という。

 まだ増えるだろうが、現時点でもブログが3300万というのは驚くべき数字である。活発なものだけでも770万というのだから、少なくとも毎日数千万人の中国国民が他人の意見を読み、議論を闘わせていることになる。

 ブログが急速に普及しているのは日本や米国でも同じだが、マスメディアはお上のものしかない中国としては、連日連夜、数千万の個人的な意見や情報が飛び交う社会は、まさに驚天動地の出来事と言うべきで、これが世論の形成や権力者の政治判断に影響を与えないはずがない。

 よく日本では「インターネットの普及で反日的な情報が広まり、国民の反日感情が一気に爆発する」といった言い方がされる。確かにそういう面はあるが、逆に言えば、反日的な情報だけではなく、日本に理がある情報、日本の良さや日本人の考え方を正しく伝える情報も急速に広まっていく。

根拠のない情報の淘汰が始まる

 これだけの数の国民がインターネットを活用し、3000万ものブログが開設されている状況の下では、そこに一種の「言論のマーケット」が成立していると考えられる。

 例えばある人が、中国のブログなり掲示板なりで「日本人は残虐な民族で、スキあらば中国支配を狙っている。その証拠は○○だ」と発言したとしよう。もし発信される情報の数が限られていれば、それを真実だと思う人もいるかもしれない。

 しかし数千万もの人が議論に参加していれば、「それは正しくない。自分が見てきた日本人はこうだ」と言う人もいる。その人はその証拠を出すだろう。情報量が増え、意見交換の機会が増えれば増えるほど、正しい情報が生き残り、根拠のない誤った情報は淘汰される可能性が高くなる。これは一種のマーケットメカニズムである。

 確かに中国政府はネット上の情報監視活動を行っており、言論の自由はない。怪しからん話だとは思うが、少なくとも人々が日本に対する自分の見方を述べたり、日本の正確な情報を語ること自体を中国政府が規制することはあり得ない。

 先日、政治とは関係ない趣味の世界で、中国の同好の士たちが集まるサイトを覗いていた。私は外から読んでいるだけ、メンバーはすべて中国人である。ある時、掲示板に突然、日本の話題が出てきた。発言者は日本に行ったことがあるらしい。

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