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アフガニスタン・現地リポート【2】
新しい段階に突入した対テロ戦争

2006年11月29日(水)

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 11月20日、初めてアフガニスタンを訪れたイギリスのブレア首相は、「タリバンとアルカイダに対する戦いは1世代の長きにわたって続くものであり、NATOは任務が完了するまで同国への関与を続けなければならない」と訴えた。

 2001年のアフガン戦争から既に5年が経過したが、同国の経済復興は思うようには進まず、南部及び東部地域を中心に治安の悪化が深刻になっている。

 アフガニスタンにおける武装勢力の攻撃は、今年になって前年の4倍に増えており、9月には1カ月間に600回もの攻撃があった。今年の3月時点では月300回程度だったのと比較すると、武装勢力による攻撃が急増している様子が分かるであろう。

 また、米空軍は過去半年間にアフガニスタンで2000回を超える空爆を行っているが、これは同軍がイラクで同時期に行った空爆回数をはるかに上回っている。

 こうした治安情勢の悪化により、南部及び東部のほとんどの地域で経済復興活動がストップし、NGOや企業関係者らが、これらの地域から撤退しており、同国の経済復興全体に対してもマイナスの影響を及ぼしている。

 また、アフガン南部を中心に麻薬生産が増加し今年の同国におけるケシの生産量は59%も増加し、同国は再び世界最大の麻薬生産国になっている。

 麻薬取引の増加が武装勢力の資金源を豊富にし武装反乱を増大させているが、経済復興の停滞がアフガン農民の麻薬経済への依存度を高め、それが武装勢力をさらに勢いづけるという悪循環に陥っている。

アフガン麻薬取締警察の訓練を視察する

 10月中旬に筆者はアフガニスタンの首都カブールを訪問したが、その際に、最近新設された麻薬取締警察(CNP)の訓練の一部を視察する機会に恵まれた。

 アフガニスタンの麻薬対策は、先進国の中ではイギリスが担当しており、英国政府は最近、不法な麻薬取引を取り締まる専門の警察部隊CNPを内務省内に創設することを支援した。

 全身真っ黒の制服に黒いベレー帽、ピカピカのブーツにベルト、腰に新品の手錠をぶら下げた20人あまりのCNPオフィサーたちに、戦術的な射撃訓練を行うということだった。

 しかし、実際に訓練をはじめる段階になって、オフィサーたちが1人もこれまでに銃を撃ったことがないことが判明し、急きょ、初歩的な銃の取扱い講座に変更となった。

 教官はイギリス陸軍特殊部隊の元隊員で、ドイツ製の9ミリオートマティックピストルと、対テロ用として世界中の治安機関で使用されているサブマシンガンMP5の基本的な操作法を、懇切丁寧に教えていた。

 アフガン人のオフィサーたちは熱心に銃の扱い方を学び、得意げに銃を手にして満足そうであったが、その射撃の腕前を含めていかにも頼りない印象が否めなかった。

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「アフガニスタン・現地リポート【2】
新しい段階に突入した対テロ戦争」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長