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汚職・スキャンダルでも再選 
ブラジル大統領の経済政策を考える

  • 門倉 貴史

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2006年12月4日(月)

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 2006年10月29日、ブラジルでは大統領選の決選投票が開票されました。その結果、現職のルーラ・ダシルバ大統領(労働党(PT)、60歳)が対立候補のジェラルド・アルキミン前サンパウロ州知事(社会民主党(PSDB)、53歳)を大差で破って再選を果たしました。
 今回のコラムでは、ルーラ大統領が選挙で勝利した要因と、2期目の経済政策の舵取りの行方について考えてみたいと思います。

 2005年6月にルーラ大統領が率いる与党・労働党の汚職が発覚して以来、ルーラ大統領への国民の信頼は大きく低下していました。労働党は、政権基盤を磐石なものとするために連立を組む他党の議員に毎月3万レアルをばらまいていたと現地では言われています。

 2006年3月27日には、経済政策の面でルーラ大統領を支え、「ブラジル経済の守護神」といわれたパロシ財務相までが汚職問題で辞任しています。パロシ氏は、金融引き締め政策と緊縮財政でブラジル経済を再建した立役者だったので、同氏の辞任はブラジル国内に大きな衝撃を与えました。

さらに、06年10月1日の第1回投票直前にも労働党の選挙違反疑惑が持ち上がり、想定外の決選投票となりました。しかし、こうした一連の問題がルーラ大統領の再選を阻むという事態までには至りませんでした。

汚職・スキャンダル問題があっても再選した理由

 汚職・スキャンダルの問題が取り沙汰されていたにもかかわらず、なぜルーラ氏は再選することができたのでしょうか。

 今回の選挙でルーラ大統領を支持したのは、主に国民の3割強を占めるといわれる貧困層に属する人々です。自らも貧しい農家の出身であるルーラ大統領は、貧困の削減をライフワークとして、これまで貧困対策に力を入れることで、彼らの強力な支持を集めてきました。

 とくに、「ボルサ・ファミリア」と呼ばれる家族手当の支給によって貧困層を大幅に削減することに成功し、これがルーラ大統領を支持する人々の裾野を広げることになったといわれています。

 貧困対策は一応の成果を上げており、例えば、所得格差の大きさを示すジニ係数(所得分布の不平等を示す指標で数値が1に近くなるほど所得格差が大きくなる)は2001年の0.566から2005年には0.544まで低下しました(図表1)。

図表1 ジニ係数

 ただし、財政再建をしていくなかにあっても、貧困対策のための歳出は増加しているため、政府の財政は相当に圧迫されています。今後も、政府が貧困対策を重視していく政策をとれば、インフラ整備に十分な財政資金が回らず、外資導入の呼び水となるインフラ整備が大幅に遅れる可能性があります。

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