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日系企業の「英語化」が中国で進む

  • 田中 信彦

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2006年12月13日(水)

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 中国の日系企業で社内用語を「英語化」する動きが広まっている。日本語にこだわると高度化する人材ニーズに応えきれなくなってきたためだ。これまで中国に赴任する日本人は日本語で業務ができることが当然のような空気が日系企業にはあったが、こうした「幸運」もそろそろ限界にきつつあるようだ。

日本語でビジネスできる珍しい国

 意外と日本人は意識していないのだが、中国は世界でも例外的に日本語で仕事ができる範囲の広い国である。レベルの高低はあるものの、ビジネスが可能な程度の日本語力のある人を採用するのは難しいことではない。日系企業では日常会話はもちろん、会議や報告などが日本語でできる環境に日本人は慣れてしまっていて、それでも「中国人とのコミュニケーションは難しい」などと言っている。

 相手の国で商売をするのだから、当地の言葉でやるのが本来は筋で、まして日本語のような世界的にはマイナーな言語を相手が熱心に学んでくれるなどという幸運は滅多にあるものではない。日本企業が規模の大小を問わず、かくも大量に中国に進出し、それなりに業績を上げられているのは、この中国の「日本語インフラ」に負うところが大きい。インドやベトナムではとてもこうはいかないだろう。

 しかしその幸運も限界がきつつある感は否めない。その理由は日本企業の進出があまりにも増え、規模が拡大し、領域も広がったため、業務が高度化して、日本語という特殊技能を入り口に人を求めたのでは追いつかなくなってきたのである。

 反日感情などの影響で日本への関心が薄れ、日本語学習者の数が減っているといったトーンの見方もあるようだが、私はそうは思わない。日本政府の関連機関が実施する日本語能力試験は受験希望者が増えすぎて対応できないほどだし、私の友人の中国人が経営する上海のビジネス日本語学校は学生数が飛躍的に増えている。大型書店の日本語学習書コーナーの充実ぶりは驚くほどである。

日本語熱は冷めないがニーズに追いつかず

 問題は日本語学習者の数ではなく、日系企業側のニーズがそれを超えて高まっている点にある。

 日本企業の中国進出は1990年代半ば以降、急加速したが、これまではある意味で企業の立ち上げ期であり、人材需要はさほど高度なものではなかった。むしろ日本からノウハウを導入し、内部の組織体制を固めるために日本人とのコミュニケーション能力の方が重要な面が強かった。

 しかしここへきて日系企業も一定の基礎は固まり、本格的な専門能力のある人材が必要になってきている。例えばマーケティングの世界では、どのように中国国内市場を分析し、販路を切り開くのか、本気の取り組みが始まっているし、メーカーは生産中心の体制から、研究開発重視の方向に動き始めている。

 こうなってくると日本語能力が前提では採用対象があまりに狭く、とてもニーズを満たしきれない。同時に日本サイドもより専門性のある人材を中国に送り込むようになってきており、そういう人たちにしてみると、中国の「日本語人材」は悪く言えば日本語しかできず、なまじ雇ってくれる企業があるものだから、そこにあぐらをかいている面があって使いにくいのである。

 ではどうするか。日本人管理者が中国語をマスターするのが現実的でない以上、英語しかない。

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