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「心地良さの市場」を中国に作り出そう

誇るべきことも、国家の命運も、日本的なものの中に

  • 田中 信彦

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2006年12月27日(水)

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 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンの2005年度地域別売上高構成比は、日本が全体の14%、日本以外のアジアが17%だった。「日本以外」の大半は大陸中国と香港、台湾、韓国である。バッグなどの革製品だけに限れば、同構成比の合計は5割を超えるとされる。この数字だけを見ても東アジアが世界に冠たる「贅沢品マーケット」であることが分かる。この傾向は今後ますます強まっていくに違いない。

「心地良い生活」が中国に浸透しつつある

 先日、ある日本のファッション関係企業の経営者とお会いした。その会社は製品のほぼ全量を中国で生産し、日本に輸出している。もちろん他国にも売りたいのだが、大量生産の低価格品では米国や中国の企業に太刀打ちできない。日本市場は人々の目が肥えていて、品質に対する基準が高く、値段への要求も厳しいマーケットだが、単なる価格競争だけの市場ではないので、日本企業の生きる余地があると話しておられた。商品に対する選択眼を持った分厚い中間層の存在が日本企業の生存基盤になっているのである。

 上海では近年、百貨店やコンビニなどの流通業やファストフードなどの外食産業、化粧品、加工食品といった日常生活に密着した業種で日系企業の存在感が日々大きくなっている。これは社会が豊かになってモノは充足するようになり、「心地の良い生活」というソフト面に市民がお金を出すようになってきたことの表れと思う。

 直接的な企業収益に結びつくかどうかは別として、「日本的なサービス」「日本的なディスプレイ」「日本的なパッケージ」「日本的な物流システム」といった、よりソフト的な領域では「日本的なもの」の社会的な浸透度は想像以上のものがある。中国政府や中国人自身が認めるかどうか、あるいは気がついているかどうかは別として、この点、日本人は大いに誇ってよいことだと思う。

数億人の「日本漬け」市場を作り出せ

 こうしたことを考えてみると、中国の社会が安定して豊かになればなるほど、近隣にある経済大国としての日本の利益は大きくなることは明らかであると思われる。中国の沿海部に韓国、香港、台湾などを合わせれば、数億という単位の中産階級が生まれることは決して突飛な発想ではないし、その一部はすでに誕生している。

 こうした人々に、価格は多少高いけれどもキメ細かなサービス、何年使っても壊れない安心な品質、商品の繊細な見た目の美しさ、芸術的な域に達しているパッケージなど、日本的な価値観を認識してもらい、「日本的なもの」抜きでは生活できないようになってもらう。知らず知らずのうちに「日本漬け」状態にする。これが日本国民1億2000万人が今後も繁栄して安定した暮らしを営む最も有効な方策であると私は信じる。

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