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なぜ製薬会社がブラジルのアマゾンに着目しているのか

  • 門倉 貴史

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2007年1月29日(月)

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 南米の大国ブラジルには、世界最大の熱帯雨林として有名なアマゾンがあります(ブラジルの国土面積の4割)。アマゾンの奥地に広がるのは、原始的なジャングルの世界ですが、意外なことに、最先端の科学がこのアマゾン一帯に熱い視線を注いでいます。

 最先端の科学とはバイオテクノロジーのことで、注目されているのはアマゾンの密林に生息する膨大な数の動植物群です。アマゾンの密林には、魚や鳥、昆虫、植物、微生物など私たちの想像を絶する種類の生物が生息しており、魚だけでも2000種類以上が知られています。アマゾン全体では20万種以上の生物がいると言われますが、いまだに発見されていない新種の未確認生物も膨大な数に上ると考えられます。

先住民俗の知恵に着目

 ところで、アマゾン河流域には、数千年も前からひっそりと生活をするインディオと呼ばれる先住民族がいます。先住民族はブラジル全体で35万人程度と推定されています。そして、先住民族の長老たちは、ブラジルが植民地になるずっと前の時代から先祖代々受け継がれてきた土着の医療法を知っています。それらの医療法の中には、密林の生物が持つ様々なバイオの力がふんだんに利用されているのです。

 この秘密に気がついた欧米などの製薬関連企業や研究機関は、1990年代以降、新薬を開発するに際して、ブラジルのアマゾンに多数の研究者を送るようになりました。製薬会社などから派遣された研究者は、先住民族の長老たちに会って、伝統的な医療法についてのヒアリング調査を行います。いずれも昆虫や植物、微生物などを新薬の有効成分に役立てることを目的としたものです。研究者は、さまざまな生物から抽出した成分をサンプルとして、これを自国に持ち帰って新薬開発の参考にするのです。成分調査を行う件数は増えていますが、それでも薬効成分がきちんと調査されたのは、まだアマゾンに生息する膨大な生物のほんの数%にすぎません。

 ただ近年では、ブラジル政府もアマゾンに眠る膨大な遺伝資源を重要視しており、先進諸国がアマゾンの遺伝資源を国外に持ち出す場合には、特許料の支払いを要求するようになってきました。現行の国際的な特許制度のもとでは、先住民に伝わる知識など、もっぱら口承で伝えられる知識は特許の対象とはなっていません。ブラジル政府は、アマゾンの貴重な遺伝資源が国外に持ち出されることによって、毎年100億ドルもの経済的損失が発生していると主張しています。現在、ブラジル政府は、アマゾン一帯に生息するすべての動植物の採集、持ち出しを禁止しています。持ち出しが見つかると罰金ではなく即時逮捕の実刑になります。

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