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石炭長者のスゴイお金の使い方

超高級車を即金購入 豪邸には見学ツアーも

2007年2月9日(金)

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 福岡県直方市の名物に、直径20センチ程もある特大のどら焼き風の銘菓「成金饅頭」がある。明治時代の筑豊地方で「石炭王」と呼ばれた貝島太助が、1907(明治40年)に投機に失敗したうずら豆の処分に困り、うずら豆で作った餡子を目いっぱい詰め込んだ饅頭を販売したのが始まりという。貝島太助は一介の炭坑夫から身を起こし貝島炭鉱を創業して財をなしたが、同様に炭鉱を掘り当ててにわかに大金持ちになって、「石炭成金」と呼ばれた人々がかつて日本にも存在した。こうした石炭成金たちの多くは大邸宅を構え、酒色に溺れ、贅沢三昧の日々を送ったが、ある日突然に訪れた不況の襲来に備えの資金も無く、たちまちのうちに没落していった。

 2005年9月14日から18日まで北京市朝陽公園で「国際商用車展覧会」が開催され、世界中から有名自動車メーカー41社(中国メーカー及び合弁メーカー計18社を含む)が参加した。

 ここに現れたのが中国最大の石炭産地である山西省からやってきた石炭成金グループだった。彼らは5日間の会期中になんと80台もの高級外車を買い付け、出展した自動車メーカーを驚かせた。世界の名車と言われる1台600万元(約9000万円)以上もするオランダのスポーツカー「スパイカー」(Spyker)とドイツの最高級車「マイバッハ」(Maybach)各1台は即金で買い取られ、石炭成金を乗せて展示会場から直接走り去ったという。

展示品の「スカイパー」を見る中国人たち (c)AFP/JMark RALSTON

展示品の「スカイパー」を見る中国人たち (c)AFP/JMark RALSTON

国際自動車展の「マイバッハ」。(c)AFP/JENS SCHLUETER

国際自動車展の「マイバッハ」。(c)AFP/JENS SCHLUETER



超高級車に高級マンションをまとめ買い

 山西省ではかつて、石炭成金のグループが1台100万元(約1500万円)以上する米国製の高級大型SUVである「ハマー」(Hummer)を一度に20台購入し、1人が15台を引き取り、残りの5台を他の人たちが引き取ったという話があったし、省都太原市のある石炭成金はそれぞれ色の異なるロールスロイス(Rolls Royce)を3台も所有しているという話もあった。

 山西省のある自動車会社の調査では、山西省には個人所有のベントレー(Bentley)、ベンツ(Benz)、ハマー、BMWといった高級車が1000台以上あり、これらのほとんどが石炭成金となった炭鉱主の持ち物であるという。山西省の石炭成金は通常1人で数台の高級車を所有しており、その分布は省の中央部にある太原市ではベンツ、BMW、ロールスロイス、北部の大同市ではBMW、キャデラック(Cadillac)、西部の呂梁地区や孝義市ではハマー、南部の霊石県や臨汾市一帯ではベントレーが主流を占めている。

 この理由は石炭成金同士の競争意識と見栄の張り合いであり、「あいつに負けてなるか」と同じ車を買うという意識や、「あいつがあの車を買ったから、俺はその上の車を買う」と同じ車種の上位モデルを買って差をつけるという意識の表れである。

 上述した「国際商用車展覧会」で大量の高級外車を購入した山西省の石炭成金たちは、北京市入りしたついでにと北京市で最高値と言われる超高級マンション「観湖国際」(Greenlake Place)の数十戸を購入したという。

2007年末に竣工予定の「観湖国際」完成図

2007年末に竣工予定の「観湖国際」完成図

 「観湖国際」の販売価格は1平方メートル当たり平均で1万8500元(約27万8000円)、最高価格で2万6000元(約39万円)であり、1戸当たりの価格は平均で300万元(約4500万円)、最高価格で1200万元(約1億8000万円)で、日中の物価差を考慮すると、日本なら平均価格で2億5000万円、最高価格で10億円程に相当する。

 日本ならば、さしずめ東京で最高価格と言われる六本木ヒルズや2007年3月完成予定の東京ミッドタウンの住宅を数十戸購入したのと同じことになる。これが石炭成金の資金力を示す証しと考えてよいだろう。

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「石炭長者のスゴイお金の使い方」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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