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貧乏になってもすべて賭ける!大博打好きの中国人で盛り上がるマカオ

ついに米国ラスベガスを抜いて世界一のカジノの都に

2007年2月23日(金)

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 2007年2月11日の夜、中国の特別行政区であるマカオ(澳門)で30億元(約450億円)を費やして建設された「グランド・リスボアカジノ」の開業式典が華やかに挙行された。式典にはマカオ特別行政区長官の何厚(エドモンド・ホー)をはじめとするお歴々が参加、当夜の同カジノ入場者数は3万人を超えた。「グランド・リスボアカジノ」は3万8000平方メートル以上の敷地にカジノテーブル240台とスロットルマシン480台以上が置かれており、現時点ではマカオ最大の規模を誇っている。

マカオの賭博王スタンレー・ホー

 マカオのギャンブル業界は「カジノ王」、あるいは「賭博王」と呼ばれるスタンレー・ホー(Stanley Ho)が率いるマカオ旅遊娯楽有限公司が過去45年以上にわたってマカオ政府から独占的な賭博営業権の認可を受け、カジノは同公司傘下のマカオ博彩股有限公司が独占的に運営してきた。マカオ博彩はその旗艦店であるリスボアカジノを中心にマカオ全土に十数軒のカジノを経営し、長年にわたって莫大な収益を上げ、その主であるスタンレー・ホーは巨万の富を築いてきた。スタンレー・ホーはオランダ系ユダヤ人を曽祖父に持つ香港の有力な一族に生まれたが、13歳の時に父親が破産して蒸発したことで、貧困生活を余儀なくされた。しかし、苦学力行の末、マカオに移り住んで事業家として成功を収め、マカオの賭博営業権を独占したことでマカオ随一の富豪として確固たる地位を築いた。2006年の米誌「フォーブス」世界富豪ランキングでは84位として選出されているし、4人の妻と17人の子供を持つ艶福家としても有名である。

 1888年にポルトガルの植民地となって100年以上の時を経たマカオは1999年12月20日に中国へ返還され、香港と同じく返還後50年間は現状を維持する「1国2制度」の下で特別行政区となった。マカオ政府は「カジノ観光業を牽引役として、サービス業を主体に、他業界の調和を図る」ことを構想し、中国政府はこれを積極的に支持する方針を示した。カジノ観光業の繁栄を図るにはマカオ博彩によるカジノ市場の独占を打破することが必須の条件であり、マカオ政府は2002年にカジノ市場の開放を実施し、マカオ博彩によるカジノ市場独占に終止符が打たれた。

 マカオ政府は従来マカオ博彩だけに与えていたカジノ営業権を新たに3社へ追加賦与することを発表し、入札を通じて落札企業を決定した。しかし、マカオ政府はその後、落札企業に獲得したカジノ営業権を2分割して、営業権の半分を他社へ転売することを認めたことから、最終的には合計5社がマカオのカジノ業界に新規参入することとなった。この結果として、マカオ全体のカジノ総数は、2002年のカジノ市場開放前に16軒であったものが、2006年末では24軒に増大した。カジノテーブルの総数も、2002年の400台から2006年末には2500台を突破するまで増大した。現状確認されているカジノはの通りである。

マカオの主要カジノ一覧
開業時期 カジノ名称(中国語) グループ名
リスボア(葡京) マカオ博彩
2004年5月 サンド(金沙) ラスベガス・サンズ(米国)
2006年9月 ウィン(永利) ウィン・リゾート(米国)
2006年10月 ギャラクシー(銀河) 銀河娯楽集団
2007年2月 グランド・リスボア(新葡京) マカオ博彩
2007年 MGM(美高梅) MGM Mirage(米国)
2008年 不詳<海底にカジノを作る> 新濠国際+PBL(豪州)
(註)各種資料から筆者が作成

 新規参入のカジノには、本場米国ラスベガスからのサンズカジノ(ラスベガス・サンズグループ)、ウィンカジノ(ウィン・リゾート)が含まれており、こうした新参勢力に市場シェアを蚕食され、2004年に85%あったマカオ博彩の市場シェアは、2006年には54%まで落ち込んだ。マカオ博彩が失われたシェアの挽回を期して繰り出した秘策が、既存のリスボアカジノに隣接する形で新規に開業した「グランド・リスボアカジノ」である。2007年2月の現時点では大規模カジノは、リスボア、新リスボア、サンド、ウィン、ギャラクシーの5軒だが、今後2008年までにさらに2軒の開業が予定されており、マカオにおけるカジノ戦争は今以上に激しいものとなることが予想される。

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「貧乏になってもすべて賭ける!大博打好きの中国人で盛り上がるマカオ」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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