「谷口徹也の「北緯22度通信」」

日本製列車が“爆発炎上”

これが中国の「新幹線」で起こったら…

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2007年2月20日(火)

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日本製列車の炎上を伝える香港の各紙

 香港の新聞各紙の1面は、この事故を伝える記事で埋め尽くされた。

 2月14日の午前9時頃、香港の中心部と郊外を結ぶ九広鉄道(KCRC)西線がトンネル内で火災を起こして緊急停車。700人近い乗客がトンネル内を約2キロ歩いて避難するという事故があった。煙を吸い込んだ乗客十数人が病院に運ばれたが、幸い、死者や重傷者はなかった。

変圧器からのオイル漏れが発火の原因

 報道によれば、火災は2回の爆発を伴ったという。車両の屋根に取りつけられた変圧器からオイルが漏れ、それに引火したのが原因だとの見方が伝えられている。

 事故の大きさもさることながら、気になったのが、この車両が日本製だったことだ。伊藤忠商事と近畿車輛、川崎重工業の3社がコンソーシアムを組んで受注し、車両数300両以上、金額にして約600億円分を2002年から納入している。

 事故の原因究明のため、日本メーカー側も専門家を派遣する。正確な事故原因は調査結果を待つしかないが、設計や生産上の不備によってもたらされたとすれば、ここ数年、日本で問題が続出している品質問題との関わりを否応なしに想像してしまう。

 海外に住み「日本製品=高品質」という図式が広く認識されている場面に遭遇するたび、誇らしさやうれしさを感じてきたものだが、日本で相次ぐ企業の不祥事を見ても分かる通り、信用は一夜にして崩れ去ることがある。今回の事故もメーカー側の不手際であってほしくないし、仮にそうだとしても適切な事後処理で信用を守り続けてもらいたいと思う。

「はやて」そっくりの中国高速列車「CRH2」の場合は?

 そしてもう1つ、KCRの事故報道を見て頭に浮かんだのが中国の高速鉄道である。

 1月28日、日本の新幹線「はやて」をベースにした中国の高速列車「CRH2」が営業運転を開始した。日本の新幹線技術を使った鉄道車両が中国を走るのは初めてのことだ。上海と江蘇省の南京、上海と浙江省の杭州をそれぞれつなぎ、将来は北京−上海間を結ぶ高速鉄道にも投入される見込みだ。現在は最高時速160キロで運行しているが、4月のダイヤ改定後は時速250キロの高速運転も始まる。

 CRH2は日本から輸入した2編成を除き、日本から技術提供を受けた現地メーカーが生産することになっている。早い話が、日本から“サンプル用”として現物を購入して、あとは中国メーカーが日本の技術を使って国産化するというわけだ。

 運行開始に当たり、中国のメディアは日本の技術を使っていることについては沈黙を守り、ニュースでは「純国産」「自主開発」を連呼した。外観が「はやて」にそっくりであることを知っている日本人は苦笑いするしかないのだが、今後もし、香港KCRCのような事故が起こった時には、どんなことが起こるのだろうか。

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著者プロフィール

谷口 徹也(たにぐち・てつや)

日経エコロジー編集長。日経ビジネス、日経情報ストラテジーの記者などを経て、2002年1月〜2007年8月日経ビジネス香港支局、2007年9月〜2009年5月日経ビジネス副編集長、2009年6月日経ビジネスオンライン副編集長。2012年1月から現職。

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