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イラン現地リポート:「米国のイラン政策は失敗濃厚」

資源高を利用した外交 ブッシュ自画自賛の中東戦略は骨抜き

2007年2月27日(火)

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 イランの核開発問題とイラクの治安問題をめぐり、米国とイランの対立が激化している。ブッシュ政権はイラクに米兵を増派し、イラク国内でのイラン勢力に対する攻撃の手を強め、イランの影響力を低下させる政策を推し進めている。核開発問題では欧州や中露と組んでイランに外交的圧力を加え、中東地域においてはサウジアラビアや湾岸のスンニ派産油国を再編してイラン包囲網を形成する計画である。

 しかし、こうした米国の政策はイランに対してどのようなインパクトを与え、当のイラン側はこうした米国の作戦をどのように見ているのか。2月上旬、28回目の革命記念日を前に熱気を帯びるイランへ飛んだ。

日本人商社マン曰く「通常の貿易の影響は最小限にとどまっている」

 大都市テヘランの人々の活気あふれる暮らしぶりを目にすると、「核開発問題で国連安保理から制裁を課され、米国と激しく対立して国際的に『孤立』している国」という日本で描かれているイメージとの大きなギャップに驚かされる。

 ある日本人商社マンは次のように説明する。
 「イランにおけるビジネスは基本的にはほとんど変わっていない。大型プラント建設のような大規模プロジェクトは融資がつかないので進まないが、通常の日イ貿易への影響は最小限にとどまっている。制裁といっても核開発に関連したものに限定されているし、米国でさえ、イランの国民生活に影響を与える分野への制裁はしないという方針を出している。欧州勢もビジネスはビジネスと割り切っているので多少米国がうるさく言ったからと言って、ビジネスを諦めることはない」のが現状だという。

 つまり核をめぐる外交的な国際社会との対立は、イランの国民生活にほとんど影響を与えていないため、「国民の間での危機感は低く、外交的な緊張と国民の認識には大きなギャップが存在するのだ」という。「このギャップが大きいうちは、核外交で大きな進展はないのではないか。イラン人の生活は豊かであり、このような状態が続く限り、国民の不満が政府へ向かうことはない」からだという。

イランの政治家も国民も大半は「影響はない」と

 イラン人にとって米国との対立は今に始まったことではなく、1979年のイラン革命以来対立を続け、お互いに非難し合いながら、しかし軍事的に正面からぶつかることはなかった。イラン政府に近いある要人は次のように述べた。「政治家たちは口では激しいことを言うが実際にはこれまでも何も起きなかった。さらに今の米国のどこにそんな余裕があるのか? アフガンでトラブルを抱え、イラクでトラブルを抱え、さらにイランと事を構えようというのか? イランの政治家も国民も大半が『これまでのように何も起きない』とリラックスしている」というのが現状だという。
「米国とイランは2人のサムライのようなものだ」とイラン政界の裏の裏まで知り尽くすこの人物は続ける。

コメント3件コメント/レビュー

世界を知らないアメリカの政治、もっともアメリカも一部の人間によって動かされており、国という名目で、いつも損をするのは一般国民である、というのは世界共通。(2007/04/14)

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「イラン現地リポート:「米国のイラン政策は失敗濃厚」」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

世界を知らないアメリカの政治、もっともアメリカも一部の人間によって動かされており、国という名目で、いつも損をするのは一般国民である、というのは世界共通。(2007/04/14)

米国は、依然として、アメリカ発見から、西部開拓に続くような、インベーダー・ゲームを世界に向けて展開している。嘗ての植民地宗主国の多くと米国は、まだ、自国の国家的計画に、他国を従属的支配関係で組み入れている。この続植民地的支配関係をやめ、対等な外交で、平和的に取引する関係にならないと、いつまでも緊張はなくならない。イラン関係で不利になるのは、日本など強い親米国である。(2007/02/27)

イランは世界有数の産油国であるにも関わらず、その精油能力の低さから、ガソリンの生産が需要に追いつかず、2月あたりから配給制になってしまったはず。お世辞にも技術水準が上がったとか制裁の効果がないとは言えないと思いますが…?(2007/02/27)

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